2007年02月27日
「京屋旅館別館 歓喜庵」 愛媛・西条 旅館
愛媛県西条市。確固たるイメージはやや希薄である。ところが、四国でもっとも高い石鎚山系の山中に驚く宿があった。
「京屋旅館 歓喜庵」。
京屋旅館自体はお遍路さん用の簡易宿泊所からスタートした。しかし主の伊藤隆治さんは、志高く、いい湯が湧くので立派な宿を作りたいと、道楽かと見紛うような宿を作ってしまった。
本館は、元々生家が使っていた木材を使う。およそ200年前の木材というが太さといい艶といい、まだまだ現役である。そこに部屋があり、温泉がある。この湯がまたすごい。白濁の極致といいたいぐらいの濁りよう。そこに身体を沈めるだけで肌が美しくなるようだ。
離れと露天風呂もある。離れは囲炉裏が切ってあり、そこで西条産の素材を焼く。「わしはなんも手をかけんと、そのまま焼くのが好きだから」と主。野菜も山菜もすべて自家製。一寸豆のほくほく感と甘さは強烈。
冬は猪が名物。猪は脂が魅力である。その甘味に食が進み、酒も喉をすべる。
春は山菜、夏は鮎、秋は鰻、冬は猪。またアメゴと素材はふんだんにある、野趣に富んだ料理を満喫し、温泉につかると、あとはぐっすり眠るだけ。
もう一つの魅力は露天風呂。「石で造ったら一生もんやろ」と主が言うように、風呂も壁も全て石という凝りよう。
そこから眺める下界というか湖の様は、全てを忘れさせて余りある。
この風呂に入るだけでも大いに値打ちあり。
まだまだ知られざる温泉宿。また季節を変えて訪れたい一軒である。
京屋旅館別館 歓喜庵
愛媛県西条市黒瀬上の原字260-1
0897-59-0522
http://kankian.jp
投稿者 geode : 09:45