2007年09月18日
「千里山 柏屋」 大阪・吹田 日本料理
名神高速道路沿いの住宅街。そこにひっそり佇む「柏屋」は料亭である。
主は松尾英明さん。
大学は理学部で理論物理学を学ぶも、お茶の世界に魅せられ四日市の名料亭「招福楼」に入る。いま、大阪でも高い評価を受ける一軒である。
庭の手入れはいつも行き届き、お茶室は静謐な雰囲気を漂わしている。
『あまから手帖』の編集者と二人。男性二人です。
主題は九月ですから「月見」です。
まずは
衣かつぎと枝豆、アワビ。
枝豆の塩分と硬さが秀逸でした。
温度と香りがいいですね。
トウモロコシのすり流しに鮎
鮎のリエットですね。素揚げして松の実と大徳寺納豆を入れます。トウモロコシの甘さと鮎の苦味がいいですね。
椀物は
ハモに加賀の百万石椎茸
梅干しにほうれん草の軸。この椀物のだしこそ「柏屋」の真骨頂ですね。
造りは
鯛、剣先イカ、車エビ。松前醤油がつきます。端正な仕事です。
おしのぎ
カマスの焼き霜のお寿司。
ほんのり温かいです。
八寸
これも「柏屋」の見せどころ。季節感たっぷり。一つひとつきっちり味を含ませ、視覚的にも美しいです。
焼きもの
甘鯛の海老味噌焼き。ウロコはパリッとして香ばしく、見事です。
冬瓜のそーめん
生の冬瓜を細く切り、蓮のデンプンを塗り作る。ぬるっとした食感のあと、歯応えが。これは素晴らしい食感です。
炊き合わせは
シャラン産の鴨、冬瓜、シシトウなど。
ご飯は
鯛の紅梅煮のお茶漬け
デザートは
桜桃とピオーネ。
玉子のくず焼き。
温かいのです。
あとは抹茶がでました。
ここで食事をする度に、季節感や食材の使い方に感心するばかりです。季節を変えてまた来たいと思うのです。
松尾さんのことは、10月23日発売の『あまから手帖』07.11月号の「僕を呼ぶ店」という連載で原稿を書いています。
柏屋
吹田市千里山西2-5-18
06-6386-2234
投稿者 geode : 07:24