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2013年02月15日
「天空龍吟」 香港・大橋・日本料理
船で香港に到着しました。
4泊の船旅です。
ICCという超高層ビルディングの101階に店を構える「天空龍吟」。
展望台が100階ですから、その上にあるのです。
エレベータで店に向かうと耳がキーンとなります。
個室に入りました。
テーブルの上。
各自、この折敷が置いてあります。
最初は、車海老のライスペーパー包み揚げ。
熊本の車海老。
甘みが強い。
左にあるのは、海老の頭と殻で作ったすりながしです。
まさにビスクのような味わい。
いきなりやられました。
同行者が「海外で食べているとは思えない」と思わず話し、
「夕方に発注すれば、翌朝築地から届き昼の営業に間に合います」との説明。
よって、ほとんどの食材が日本のモノということです。
北海道 余市産 極上あん肝 からし酢味噌和え。
「六本木の龍吟が開店した時にお出ししていたメニューです」と。
なんとも素敵な味わい。
酢味噌の酸味と甘み、
そこにあん肝のねっとりした甘みとコクが重なってゆきます。
北海道産うにと生湯葉の茶碗蒸し。
視覚に訴える美しさ。
それだけでもうっとりします。
静岡の山葵は辛味だけでなく、香りもよし。
うにと湯葉。
優しさの中にも凛とした表情が伺えます。
山陰 松葉がにと一番出汁のお椀。
まずプレゼンテーションに驚き。
蟹の甲羅がふた替わりです。
「カニは津居山」と青いタグを見せてもらいました。
甲羅を取ると、この椀物です。
蟹の味噌と肉がレタスに包まれています。
口に含んで歯を入れたときの濃厚さに、思わず笑みがこぼれます。
ブリ大根
氷見の鰤と3種の大根のお造り。
鰤の中に大根の千切りを入れています。
確かにブリ大根です。
中は白い大根と紅芯大根。
生姜の香りがきいています。
右手の小さな器の入ったのは緑の大根。
リンゴ酢のジュレがかかっています。
炭火の香りの衣をまとった甘鯛、5色の青を添えて。
白甘鯛をカダイフで巻き揚げてから、炭の上で油焼き。
炭の香りが付くわけです。
カダイフの繊細な使い方に驚きです。
左上の器には、5種の青い野菜や果物にレモンです。
いわば酢物というか、ピクルスのような趣き。
肉じゃが
和牛サーロインと北あかり ペリゴール産黒トリュフと共に。
肉じゃがからの発想だそうです。
佐賀牛を炭火で焼きます。
佐賀牛と北あかりを交互に置き、紅白の玉ねぎをのせます。
そして黒トリュフです。
赤たまねぎは素揚げ、白い玉ねぎは出汁で味つけ。
牛の脂分とトリュフ、北あかりの甘みにもトリュフなど、
興味深いマリアージュが生まれています。
和歌山ぶどう山椒のじゃこご飯。
じゃこご飯の上には
パプリカのマリネ、白菜の炒めモノ、ぶどう山椒がのっかります。
不思議な食感で、味わいには奥行きがでてきます。
昔 懐かし 冷凍みかん。
これは「龍吟」のスペシャリテです。
液体窒素で冷やされたみかん。
まるで飴細工のような輝きを放ちます。
それを割って、そこにみかんを加えると、
あっというまに渾然一体となったみかん味のアートとなるのです。
口の中でぱちぱちと弾ける仕掛けがあったりで、楽しさも満載です。
締めは香りの連想
小豆〜杏仁〜バラ〜フランボワーズ。
香りが、このような連想を生み出すというのです。
これらを使ったブランマンジェです。
これも面白いデザートとなりました。
香港、それもビルの101階で食しているという印象が少ない、
というかほとんどしません。
おそらく海外で日本料理の再現性ということなら、トップクラスです。
そこには「龍吟」の思想と精神がしっかり生きています。
「天空龍吟」
101/F, International Commerece Center,
1 Austin Road West, Kowloon, Hong Kong
+852-2302-0222
投稿者 geode : 01:42