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2017年03月14日
「白 tsukumo」 奈良・三条町・日本料理
「百」引く「一」は「白」
つまり九十九。「つくも」と読むのがこの店の名前。
ご主人の西原さんは、ニューヨーク、ロンドンという海外での経験が豊富な料理人である。
一昨年開店だが、かなりの人気店となった。
スタートは
丸大根、赤かぶらの姿焼き、つぼみ菜、三輪素麺である。
奈良で仕事をすることを常に意識する献立。
椀物は、ずわいがに、焼き豆腐、うぐいすあん。
梅にうぐいすという春の情景を写し込んだ椀物だ。
出汁の味わいは、喉を著しく刺激してくれる。
向付けは寒平目に、のれそれ。
寒平目は塩を当て5日間寝かせたもの。
味の凝縮感がある。
白梅酢昆布で食べる。この器が素敵。
興福寺巻きと野菜のコンソメ。
興福寺の塔をイメージした精進巻きは海苔を巻いて食べる。
海苔と湯葉、野菜のシャキシャキ感。
食べるリズムが生まれる。
野菜の滋味をしっかり感じるコンソメと一緒に食べると野菜の力が身体の中に入ってゆくのが分かる。
大和牛の土佐揚げ。
コロモにかつおを含ませることから土佐揚げと呼ぶ。
バルサミコと山椒のソースが香りを添える。
またふきのとう、菊菜など春を感じる付け合せも見事。
八ヶ岳の蕎麦には辛味大根。
口の中がすっきり。
途中まで食べると、カラスミが振られる。
今度はコクが増す。
次は、ますます福が来るようにと、枡の二段重ね。
上は、揚げた虎豆におろしぽん酢。
下は、フグの身、皮、白子が入る。
西原さんの遊び心溢れる一品。
大アサリの炊き込みご飯。
アサリの濃厚な味わいが生きるご飯。
ご主人が目の前で和菓子を作る。
きんとんは大福豆、宇陀ブルーベリー、マカデミアナッツ、クロテッドクリームである。上品な甘味が漂う。
水をかけると美しく発色する瑠璃石。
大和橘という柑橘を使った羽二重餅。
西原さんの自由な発想と奈良の印象を埋め込む姿がとても楽しい。
季節ごとに訪れたい一軒。
「白 tsukumo」
奈良市三条町606-2 南側 1F
0742-22-9707
投稿者 geode : 01:13