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2020年07月20日
「仁修樓」 京都・紫竹・中国料理
京都は北山通りより北。
大宮交通公園(現在工事中)の少し南、紫竹にある中華料理店「仁修樓」。
一軒家であり、カウンター8席と個室6席の店だ。
階段を上がり2階にある。通りからのアプローチも魅力的だ。
カウンターに座ると野菜で作った花が飾られている。
料理人の気持ちの現れである。
突き出しのナッツ。
甘味がふくよか。素敵なお出迎えだ。
一品目は酔っ払い海老。
活けの車海老を予約時間の約3〜40分前に老酒につける。
背ワタと砂袋は取る。ほぼ生に近い状態。
「生きているから酔っ払うのです、死んでいると酔っ払いません」と。
なるほどの一品。海老の甘味と酒の味わいが出会う。
下にはネギ油と塩で味付けした糸瓜。
3種の前菜。まずは2種。
クラゲは弾力ある歯ごたえ。
直前に白醤油で和えるとか。
甘酢漬けは、白菜、胡瓜、プチトマト、ミョウガ。
安心の味わい。
続く蒸し鶏がすごかった。
食感がこれまで食べた蒸し鶏とは違う。
蒸した後に冷やすことなくスープに浸けおき。
そのしっとりとした食感には感動を覚える。
スープ。
花椎茸、蓮の実、すっぽん、浮き袋、干し貝柱、金華ハムなど
17時間じっくり蒸すことで完成するスープ。
一切調味料を加えることなく、素材の味わいだけで作り上げる滋養に満ち溢れた味わい。
贅沢かつ中国料理らしい一品である。
関東式のローストチキン。
釜(炉)で火入れをした鶏に油をかけながら皮目をパリッとさせ、10分ほど寝かす。
油が落ち着く。
中身はジューシーそのもの。小ぶりの鶏である。
それに夏野菜をプラスしてサラダ仕立てとなる。
この鶏の味わい深いこと。
白玉蔵珍という料理。
冬瓜を上湯で蒸しあげ、その中にアワビ、鴨、カニ肉を仕込む。
上湯で味付けされた柔らかな冬瓜とそれぞれの食材の出会いが、
この料理の真骨頂となっていた。
フカヒレのスープである。
これも京赤地鶏でとった白湯がベース。調味料は醤油が少しだけ。
生湯葉が素敵なアクセント。
締めは自家製の香港麺の素ラーメン。
なんともシンプルでありながら余韻の長い味わい。
スープと麺の相性が素晴らしい。
デザートはマンゴープリンと焼きたてのパイナップルケーキ。
ここまできちんと作り上げる。
また中国茶の選定も見事である。
店主の上岡さんの仕事に魅了された食事であった。
まだまだ奥がありそうなので、また訪れたい。
「仁修樓」
京都市北区紫竹北栗栖町2-12
075-366-8843
投稿者 geode : 01:55