2017年01月12日
「チェンチ」 京都・聖護院・イタリア料理
「チェンチ」で鳥取県の食材を使った食事会。
オーナーシェフの坂本健さんは、鳥取県に足を運び食材を見極め、かつ生産者と交流を図りながらこの日のメニューを組まれた。
お決まりのグリッシーニでスタート。
投稿者 geode : 01:37
2005年09月05日
「トゥールモンド」大阪・土佐堀 フレンチ
東京から「バードランド」の和田利弘さんが来阪。
「あやむ屋」の永沼巧さんと、土佐堀の「トゥールモンド」で昼食。
これにはちょいと訳がある。8月末に「トゥールモンド」のオーナシ
ェフ・高山龍浩夫妻は、東京で和田さんの案内で「北島亭」にでかけ、
その後「肉を焼く」ということについて3時間近くレクチュアを受けた。
「今日は『肉・肉・肉』でいきます」と高山さんからコメントがあり
料理が次々と登場となった。
↓アミューズグールはトマトのコンポートとトマトのジュレ
トマトの甘さに生ハムの塩分、ジュレのほのかな酸味がいいバランスで
食欲を刺激する。見た目にも涼やかな一品である。
↓前菜として現れた鳩のガランティーヌ
鳩の内臓(レバー、心臓)とモモ肉をミンチ状にして胸肉とキャベツで
巻き、それをアルミフォイルで包みフライパンでころがしながら焼く、と。
内臓の苦味と胸肉のジューが見事な調和。
↓鴨のオレンジソース、スパイス風味。
骨付きの胸肉は皮面だけ香ばしく焼く。
パプリカやキャトルエピス等を練り込んだスパイスを鴨のガラスープで伸ばし、
そこで含め煮のようにソースをかけながら火入れをする。
オレンジの風味やスパイスの味わい、低温でゆるやかに火を入れた鴨は肉汁が
逃げることなく素晴らしい仕上がり。
↓口直しはブーダンノワール(血のソーセージ)
普通の口直しは、口の中をさっぱりさせるためにフルーツ系のグラニテ(粗い
シャーベット)だが、ここでもシェフは肉系統で勝負である。甘めのワインと
の相性もよく、胃袋が活性化。
↓メインは仔羊のナン包み焼き
仔羊は表面だけ焼き、ナンに包んでオーブンで焼く。直火ではなくじっくり焼く
ことにより旨味が凝縮される。これは温度と時間の計算が問題となるが、これも
クリアである。仔羊特有の香りも充分楽しめたし、チャレンジは成功。
デザートは4種類あり、どれを選択するか迷った結果4種全て取り3人で分ける
こととなった。
↓黒豆入りのクリームブリュレ
↓ガトーショコラ
↓桃のコンポート
↓ココナッツ風味のブランマンジェ
肉・肉・肉の昼食は無事終了したが、それぞれの肉すべて火入れの方法が違う。
一つひとつ肉の種類と質を見極め適切な調理法を考えた結果である。肉を焼く
というテーマは、料理人にとって永遠の課題であり、最近は低温でじっくり火
を入れる、というのが主流であり、このメニューはその成果を存分に味わった
ことになる。
計算違いは、デザートが夜のレギュラーサイズで登場したことであった。
「トゥールモンド」
大阪市西区土佐堀1-4-2 西田ビル1階
06-6444-8819
投稿者 geode : 09:53
2005年08月31日
「アル・ケッチァーノ」山形・櫛引町 イタリアン
「BRUTUS」や「ソトコト」で気になっていた山形櫛引町のイタリア料理店
「アルケッチァーノ」に出かけた。
国道沿い、畑に「イタリア料理アル・ケッチァーノ」と看板は出てるわ、
店には大きな文字でイタリア料理と書いている。
もし、知らなければ扉を開くことのない店構えだ。
しかし、店内の様子は一変する。
カウンター上の黒板には旨そうな文字が踊る踊る。
ランチだがシェフにおまかせ10000円のコースにした。
↓庄内浜で揚がったわらさ(天然のはまち)のオリーブオイルと塩。
まるでリンゴのような甘さがあり、スタートから快調。
↓石鯛とウィキョウのスパゲッティ。
ウィキョウの香りが利いている。
↓ホウボウとミニトマト。
トマトの甘さが強烈でホウボウと互角の勝負。
↓岩牡蠣のモロヘイヤソース。
モロヘイヤの粘りとトマトと粒マスタードで、岩牡蠣が旨くなることこの上なし。
また甘鯛の炙りもソースとの相性よし。
↓甘鯛の松傘焼きには水菜のリゾットが添えられていた。
和食のテクニックを見事に生かした逸品。
↓フォアグラのソテー。
フォアグラの上にはトウモロコシの髭のフライが乗り、トウモロコシのピュレが添えられる。
甘みの相乗効果が見事。
↓サザエと小松菜のスープ。
コリコリとした食感と小松菜の青みの利いた味わいがいい。
↓由良の車海老とウニのクリームソーススパゲティ。
車海老の甘さは絶妙だが、ウニにやや火が入りすぎていたのが少しだけ残念。
↓山形牛のイタリアンタルタル。
さっぱりあっさりという印象が強いタルタルだが、脂分が上品で牛の香りがあるからこそ。
↓プレノワールとジャガイモのオーブン焼き。
肉質弾力あり、かつ肉汁たっぷりという素晴らしいプレノワールであった。
↓桃のコンポートとゼリー、シャーベット。
桃を三種の調理法で食べさせるのだが、
岡山などの桃とは全く異なる硬い食感が興味深い品種だ。
↓だだちゃ豆と豆乳のにがり豆腐。
これは傑作であった。豆腐の柔らかさのあとのぷりっとした
だだちゃ豆のこくのある甘さがいい。
あと、写真がないのだが・・
だだちゃ豆のシャーベット。
これには仕掛けがあり、だだ茶豆の過去に戻りたければ味醂を垂らし、
未来を知りたければ十年古酒を振り掛ける。
この差が如実に分かり面白い趣向であった。
奥田政行シェフは、庄内の食材を愛し、生産者をこまめに訪れる。極論すれば庄内
にどんな食材が、どのような成長過程かを熟知しているともいえる。
鄙にも稀、奇跡のリストランテと呼ぶに相応しい出会いであった。
「アル・ケッチァーノ」
山形県東田川郡櫛引町下山添一里塚83
0235-78-7230
投稿者 geode : 13:24