2008年01月28日
「素料理 虚無蕎望 なかじん」 京都・古川町 素料理
かつて「あまから手帖」の蕎麦特集では、表紙を飾っていただいた「素料理 虚無蕎望 なかじん」が今月をもって閉店することとなった。理由は、健康上のこと。3月からは、奥様がいとなむ「うさぎ亭」で中村一臣さんの料理を食べることができるのです。もっとも蕎麦抜きではありますが。
昼に点心を頂きました。
先付、粗びき、前菜、そばがき、主菜、せいろ、デザートです。前菜、主菜は献立から好きなのを選びます。
先付は ぶり大根から始まりです。
ぶりのアラで焚いた大根に、ぶりのでんぶがかかっています。
つぎが粗びき
これぞ「なかじん」という蕎麦です。粗びきの蕎麦を寝かると、香りが違います。「枝豆やトウモロコシの香り」と説明を受けるのですが、まさにその通りです。塩で食べると、味わいが濃厚になります。
前菜は、にぎり鮨盛り合わせと温野菜のサラダ
へしこのバーニャカウダ。 にぎりは中とろと穴子。にぎりは中村さんが以前から献立に入れていました。中トロの肌理の細かさには驚き、香りも充分でした。 温野菜のサラダは、紅芯大根などの野菜を自家製へしことオリーブオイルなどを混ぜたバーニャカウダで食す。これが野菜の甘みも引き立てる逸品です。
そばがき。
約10年前のことです。「なかじん」がまだ伏見桃山の駅前の小さな店であった頃、「そばがきのムニエル」というメニューがあり、その食感と味はいまだ記憶に残っています。このそばがきは、まるでスフレのようです。軽やかななのに印象深い。
主菜は丹波地鶏の炭火焼きと本日のかき揚げとしました。
丹波地鶏は、まずももから始まり。
炭の香りも利いています。続いてももとろ。
脂がのって旨みが強い。
それから肝。
これが強烈でした。甘みが強く、うっとりするほど。
そしてすね肉の焦がし醤油です。
鶏の持ち味をしっかり堪能です。
かき揚げは、小海老と春菊。
この美しさは見事です。塩は、少し赤味を帯びています。
ウニを混ぜた自家製。これはまさに蕎麦屋さんのかき揚げです。
締めはせいろ。
「炊き立てのご飯のような香り」と。そうなんです。さらりとしているのに、香りは充分です。蕎麦を手繰り、喉ごしを楽しむわけです。
締めはデザート。
そばの実のアイスクリームとミニあんみつです。
京都だけではなく、関西の蕎麦の世界につねに新風を吹き込んできた存在であった「なかじん」。変化することで進化をつづける一軒でした。やむなく店を畳む(現在の店は中村さんの知り合いが、新たに蕎麦屋さんを営むようです)ことになったのですが、「あずき亭」で中村さんの元気な顔との対面をたのしみにしましょう。「さようなら・なかじん・さん」また春には、会いましょう。
1/25付、
☆「京都・名酒館 主人 瀧本洋一の『旨酒』」
Vol.3「新たな年の始まりに寄せて」
1/23付、
☆『海外通信』 London通信 Vol.5
「オーガニックの未来予想図」
公開しました。↓
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投稿者 geode : 00:09