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2007年02月17日

「KEZAKO」(ケザコ)  京都・祇園  フレンチ

昨年末祇園の安井通に開店した「KEZAKO」。シェフはパンテル・ステファンさん。17歳で料理学校に入り、ニースのホテル「ネグレスコ」パリの「グランヴェフール」「ジャック・カーニャ」等で働き2001年来日。「フィリップ・オブロン祇園」のオープンよりスーシェフを勤め、2004年「クーラン・デルブ」のシェフを経て2006年末「KEZAKO」のシェフとなる。

1階はカウンター10席、2階はテーブル席。奥さんが日本人ということもあり、日本語はかなり流暢に話す。人なつっこい感じだ。ランチを食べた。

一皿目はシェフが「これ評判いいんです。昨年いっぱいで止めようと思っていたんですが、お客さんからのリクエストがあるんで出しています」といいながら出してくれたのが、フォアグラの前菜である。

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フォアグラのテリーヌの奈良漬け巻きに南国のフルーツソース。 フォアグラのテリーヌに奈良漬けを巻き熟成させる。そこにパッションフルーツやライムなどフルーツのソースを添える。テリーヌだけを食べるとやはり奈良漬けの味わいが少し気になる。ところがこのソースを付けると奈良漬けが一気にフランス料理になってしまうのだ。一瞬、フォアグラに奈良漬け、と訝った料理だが最終的には脱帽もの。

↓二皿目はカニのサラダ。
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         ↓こちらは横から見たもの
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大きなグラスに盛り込まれている。グラスの下部にはフヌイユのパンナコッタが詰まる。その上にカニのサラダがのっかる。グラスの縁にはカニ味噌を塗った薄いトーストが。まず、これを口に含むとカニ味噌の味わいが濃厚だ。それが残っているうちに、サラダとパンナコッタを混ぜ合わせ食べる。フヌイユの青味がカニの旨みを引き上げる。視覚的にも興味深い一皿だ。

↓三皿目はスープだ。

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これもプレゼンテーションが面白い。一皿に二つの器が乗る。右にはベーコンで巻いたカキ。左にはカリフラワーのスープ。「右のカキをスープの中に入れて召し上がってください」とシェフのメッセージである。
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たしかにカキのベーコン巻きを入れるとコクが一気に増す。味に深みも出るが入れるという行為が楽しい。

↓メインは魚料理である。
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魚はクエ。クエのブレゼの下に大原や静原の野菜がたっぷり敷かれている。野菜が持つ苦味や甘味、青味などが主張するが、それとクエをつなぐのがソースの存在。クエのだし汁に赤ワインとブドウ入りマスタードをいれたもの。この酸味がいいのだ。多く食材を一皿にまとめる才能は見事。

↓デザートはバルサミコのシャーベットにイチゴ、ピスタチオなどがはいる。

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このシャーベットの酸味と甘味のバランスは素敵。イチゴと合わしてもよし。立体的な盛りつけも魅力の一つ。

↓プティフールも出来たてで香ばしさがたっぷり。

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シェフは京都の料理人とのコンタクトも多く、毎週日曜日には大原の朝市に足を運ぶメンバーである。地元の人間と溶け合うことによってコミュニケーションも豊かになり、種々の情報が集まってくる。そこから多くのヒントを得て、料理が進化してゆく。

KEZAKO(ケザコ)
京都市東山区祇園町南側570-261
075-533-6801

投稿者 geode : 12:05