2007年05月09日
「梁山泊」 京都・百万遍 和食
愛媛県西条市から帰ってきた晩、その足で京都・百万遍の「梁山泊」に向かう。
主の橋本憲一さんは、じつに魅力的な料理人であります。家庭の事情で、演劇青年を辞し料理屋を継ぐ。料理に関してはずぶの素人。それゆえに学ぶ気持ちは多大。魚を仕入れると同時に調理法まで習得する。ついには漁師とともに漁船に乗り込むまでにいたる。
日本酒も同様。蔵元に通い続け、杜氏の修業にも精魂傾ける。常にチャレンジ精神を忘れず前に向いて走る。
その姿勢に魅せられ「梁山泊」に通う客も多い。水上勉さん、倉本聰さん、永六輔さんなど枚挙にいとまがないほど。
そんな橋本さんに、愛媛県西条市の「食の創造館」のオープニング記念イベントで、「西条の食材を使って作る京料理教室」の講師として出馬願う。そのうち合わせを兼ね、カウンターに座り話しながらの晩ご飯である。
先付けは、サツマイモ、わさび菜のおひたし、稚鮎の山椒焼きなど。
これは写真なしです。
椀物が、鱧と玉子豆腐。
鱧と濃厚な玉子豆腐がいい相性です。
造りは、モンゴイカ、あまてカレイ、サヨリ、関アジ、おこぜの昆布締め、マス。
これでけ多彩な魚を盛り込み、それぞれの味わいが明確に伝わってくるのが素敵だ。「サヨリには名字があるんです、よしなが、でも今日は日本海からきているので、いしかわ」と橋本さんの十八番が飛び出す。言葉遊び、つまり頭の回転が速いという証拠。
若狭ぐじのアスパラ巻き蒸し。
これもタケノコや一寸豆など入り春満開の献立である。
八寸が美しい。
サワラの南蛮焼き、生ジュンサイ、西条のキュウリにもろみ味噌、ばい貝、しめサバ、豆腐のスモークなどなど、じつに愉しい八寸だ。
天ぷら
こしあぶら、ウドの芽、ふきのとう、サツマイモなど季節をしっかり盛り込んだ内容に満足である。
平目の昆布締めに、メロンの胡麻酢かけ。
ねっとりと甘みが見事な出会いである。これはあとを引く味わいだ。
じゃこごはん
マンゴーのムースに金柑と生姜のシャーベット。さっぱりして旨い。
この献立を食べながら、打合せは進む。
橋本さんは、全国各地で料理教室をされて経験が豊富。安心してお願いできる。話題は料理教室からどんどん離れ、料理と酒の関係など広がるばかり。愉しい食事は、時間の流れも素早いということを実感した。
梁山泊
京都市左京区吉田泉殿町5
075-771-4447
投稿者 geode : 14:35
2007年05月09日
「オステリア アリエッタ」 愛媛・西条 イタリアン
愛媛県西条市に「ナイスベジタブルファーム」という農家がある。矢野さんという人物が「安心、美味しい、珍しい野菜」をコンセプトに有機農法でさまざまな野菜を作っている。この農家のことを知ったのは、京都の「トラットリア ニーノ」の関シェフから。春先に一度矢野さんの畑を訪ねたことがある。「うちは、必要とされている野菜を作るんで売り先はいっぱいあるよ」と話すユニークな人であった。
その野菜を使っているのが西条市のイタリアン「オステリア アリエッタ」です。店主は山本一守さん。かつて大阪・帝塚山にあったイタリアン「ダ・チーチョ」で修業をしたことがあるという。
西条市役所の人達とランチ。
↓水牛のモッツァレラ グリンピースのピュレ トマトの水ゼリーの前菜
モッツァレラがクリーミーで濃い味。そこに軽やかな青味が絡み、トマトのかすかな酸味がプラスされる。胃袋を強烈に刺激する一皿です。
↓ズッキーニのグリル チーズかけ
黄色のズッキーニはほろ苦く、それとチーズの旨みがうまい具合に合うのです。
↓極細フェデリーニの冷製 トマトとそら豆
微かな酸味が、野菜の味わいを高めると同時に、パスタにのどごしを与えたようだ。
↓そら豆のニョッキ ソーラ・ソーラ(チーズ)かけ
そら豆のニョッキのふくよかでじんわりとした甘みがじつにいいんです。これは旨い。チーズとの相性も流石です。ほほえみがこぼれてくるような一皿です。
↓アスパラガスのスパゲッティ カルボナーラ仕立て
これはネーミングに惹かれました。アスパラガスの個性が光ってました。
↓石鎚豚のロースト
西条市のブランド豚・石鎚豚。これがなかなかジューシィでいけます。噛む毎に味わいが増してきます。たっぷり入った野菜も楽しめるのです。
↓フランス・ブレス産鶏もも肉と新ニンニクのロースト
ブレスの鶏は旨みが濃厚。口の中で旨みが暴れ回る感覚です。新ニンニクは驚くほど匂いが柔らか。力強い一品でした。
シェフの山本さんと話していると、少しずつイタリア料理が理解されつつあるという。素材は海外のもの以外はほとんど西条で入手できると。マダムの優しいサービスも含め、楽しいイタリア料理店です。
オステリア アリエッタ
愛媛県西条市古川甲259-1
0897-53-1694
投稿者 geode : 04:48