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2008年02月05日
「MAISON PIC」 フランス・ヴァランス フランス料理
パリからTGVに乗り、約2時間強の街・ヴァランスのレストラン「MAISON PIC」は、昨年三つ星を獲得したレストラン。1992年に三つ星を失って以来、15年振りの復活です。それも56年振りの女性シェフ、「ミシュラン」史上4人目です。シェフは、アンヌソフィー・ピックさん。ここは100年以上の歴史を持ち、彼女は4代目です。
思っていたよりモダンな建築。このレストランの向かいは、ごくごく普通のマンション。しかし一歩足を踏み入れると、その世界に入り込んでしまうのです。
「アペリティフは、サロンかテーブル?」と聞かれサロンを選択。そこにアンヌソフィー・ピックさんも笑顔で現れ、「今日は楽しんで行ってください」との挨拶。
アペリティフは、特製シャンパーニュとピーチ。これがまるでシャンパーニュそのもの。透明ですが香りはピーチ。
それを飲みながらメニューを選ぶ。
コース料理は、前菜三皿に魚と肉。この肉がリードヴォーであったので、それをバスク豚に変更可能かと尋ねると「大丈夫ですが、ブレス産の鶏がおすすめ」とのこと。それに従いました。魚もシーバス(すずき)に変更。
アミューズが運ばれる。右からカボチャに生姜、サンマルセランというチーズにクミンを入れたコロッケ、アボカドにイングリッシュソース、チョリソ・ミント。どれも小さいがインパクトありです。
それをいただきテーブルへ。
パンはマスタード風味を。
ここでもアミューズです。フォアグラのクレームブリュレに青リンゴのムース。これは傑作です。フォアグラのコクに青リンゴの酸味と、ムースに仕込まれた角切りなどの食感の差異が、見事なリズムとバランスを作り上げていました。いきなりやられました。
前菜の一皿目。帆立です。帆立はポワレに、バスマティというインドの芳香米とミルクのムースをソースに。この帆立の火入れの見事なこと。唸ります。
ワインです。
前菜の二皿目。鴨のフォアグラの料理ですが、このフォアグラのしっとりした食感は、これまで食したフォアグラを凌駕すると思えるほどでした。ソースはビーツ。この酸味と甘みの二重奏とフォアグラの相性の良さには、驚きと感激です。
前菜の三皿目。アスパラガスです。
テクスチュアがクランチィとクリームと記されています。その言葉通り、右はカリッとした食感で左が滑らかなムース状態です。この中にはトリュフのピュレとチョコレートが忍んでいます。これが意外なぐらいいいバランスです。
そしておすすめのすずき。
オニオンのコンフィにヴァンジョーヌ(ジュラ地方で取れる黄色のワイン)でキャラメリゼされたウォールナッツ。この微妙な甘みとすずき。そのすずきは皮目がパリッとではなく、しかしきちんと火が入り、旨みの引き出しは申し分ありません。すずきの質も素晴らしいものでした。
口直し。上からマンダリンオレンジ、シェリーのジュレ、グランマニエル。これで口をさっぱりです。
ワインが変わります。
メインは、ブレス産の鶏です。トリュフソース。鶏の下に敷かれた野菜は、ニンジンがことのほかのおいしさです。もちろん鶏の旨みはジューシーかつコクあり。流石におすすめのことはあります。噛む毎に鶏の旨みを実感です。
チーズが運ばれてきました。
この圧倒的な品揃えには感動です。サンマルセラン、コンテ、コルシカのチーズ、フルムダンベールをチョイスしました。サンマルセランのコクと旨みはいまだ舌が覚えています。
デザートの一皿目は、チョコレート。
この美しさにバニラアイスが素敵。
続いて小菓子が登場。
友人が選択したデザート。
僕は、パイナップルとトリュフです。
この取り合わせが何の違和感もなく胃袋に収まってゆきます。まあなんともいえない均衡を保っているのです。
「fat Duck」や「「Le Pre Cateran」という三つ星とは異なるコンセプト。ある意味、もっともモダンなフランス料理という印象も受けたレストランです。
小学校からの同級生にして医師。今回の旅仲間とアンヌソフィー・ピックさんとの記念撮影です。
彼女は、じつにたおやかで、その性格がすべて料理に反映されているようでした。
MAISON PIC
285, Avenue Victor Hugo
26001 Valence – Alpes – France
+ 33 (0)4 75 44 15 32
1/30付、
☆『海外通信』Torino通信 Vol.5
「チョコレートブーム」
公開しました。↓
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投稿者 geode : 02:07