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2009年01月06日
「Fujiya1935」 大阪・内本町・スペイン料理
昨年末です。現在パリ在住の料理研究家・上野万梨子さんが関西へ。
かねてから話しをしていた大阪・本町の「Fujiya1935」に。
上野さんは昨年晩秋、
田園調布にスペースをもたれ種々のイベントを企画されています。
さて付き出し。香ばしい旨さです。
キノコの温かいスープ。
ふんわりとしているのですが、飲むと中にはぷちんとした食感。
生姜味です。人工イクラを作る手法で作られたもの。
結構インパクトありです。
次に赤い土と、
明日香村の雪・オレンジ風味のタブレット・一口サイズの
トリュフがセットで登場。
セットの一つ目の、赤い土はビーツです。
そして明日香村の雪。明日香村の地下水を取りに行き、雪に見立てたものです。
シェフの藤原さんがモデナで修業をしていた時、
おばあちゃんが「昔、バルサミコ酢は苺ができれば苺に、
雪が降れば雪にかけて食べるもんだよ」と。
そう言われたのが脳裏に残っていてこのメニューとなりました。
オレンジ風味のタブレットの食感、トリュフの香りと味は見事な一品です。
白子のソテー、カニ風味のフラン。
フグの白子はねっとり、
カニの風味が強烈に香るフランとの取り合わせはうっとりするもの。
続いて「石」です。ホントに石。左が石本物。
そして右の中身はジャガイモにチョリソを鋳込んだもの。
表面はイカスミにデキストリンを混ぜたものということ。
このデキストリンは前のタブレットにも使用されています。
これは食物繊維の一種で最終的には
グルコース・つまりブドウ糖となるのです。
この石は視覚的な愉しみとともに
ジャガイモとチョリソという王道の組み合わせで安心感を覚えるのです。
帆立、赤ピーマンのスープ。
まずはハーブ塩で蒸し焼きにされた帆立。
これを取りだし、赤ピーマンスープで洗います。
塩分がスープに溶けいい塩梅。
帆立も甘味がでてくるという料理です。種明かしされれば簡単そうです。
ふっくら仕上げたマナガツオ、アオリイカと凝縮したカルド。
ソースもイカのエキス満載なのでテーブルに届いた時から
イカの香りがぷんぷんです。
その香りとマナガツオ、イカ、パスタの食感の相違、たまりません。
慈姑、ほろ苦いソース。ソースが傑作です。
パンの表面の香ばしさを生かした味わい。それが慈姑に寄り添うのです。
塩漬け玉子とトリュフのマッケローニ。
これは旨いに決まっているメニューです。
しかしたっぷりのトリュフの香り、魅惑的です。
蝦夷仔鹿と玉葱のエキス。
このソースも玉葱を火入れした甘味が立ちのぼってくるんです。
そして仔鹿の火入れの美しいこと。
フォアグラのプッチンプリン。
まさにプッチンプリンの様相を呈しています。
料理とデザートの中間ですね。
バニラ風味のカシスリキュール カプセル。
冷たいデザート、一瞬にして口の中で溶けてしまいます。
炭酸水に溺れた苺。口に入れると炭酸が弾けるのです。
薄いフィルム、レモン風味。
ホントに薄い。
持つと崩れてしまいそうですが、レモンの風味はしっかりです。
チョコレートとバラの冷たいマシュマロ。
これもバラの香りを運んできます。
ホワイトチョコレートの冷たいスフレ、
グラッパ風味のトリュフ、コーヒーのくず。
冷たいスフレです。トリュフも利いています。
お母さんのリキュールです。ハーブ、ルバーブ、レモン、梅、イチゴです。
エスプレッソで締めました。
藤原シェフ夫妻、ますますパワーアップで
毎回愉しみと驚きと旨さをたっぷり味わうことになるのです。
Fujiya1935
大阪市中央区鎗屋町2−4−14
06-6941-2483
告知です。
2009年1月18日(日)
午後1時30分〜3時
大阪・難波「カタログハウスの学校」で講演を行います。
〜スローな『食』を味わおう〜
http://www.cataloghouse.co.jp/study/
門上武司食研究所サイトに
12/19 付、
☆『海外通信』Paris 通信 Vol.14
レストラン”ローラン”のケアシガニのジュレ
公開しました。↓
その他、
☆「名店の賄い」
第四回 「ショコラティエ なかたに」
☆『マスターソムリエ岡昌治の「心に残る今月の一本」
Vol.7「Ch. Lagrange ’01 (シャトー・ラグランジュ)」
☆「京都・名酒館 主人 瀧本洋一の『旨酒』」
Vol.4「野飲の醍醐味」
☆今月の「学会」レポート
2008年4月度「第64回 パトゥ」
も公開中。↓
投稿者 geode : 03:08