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2009年05月11日
「縁」 京都・烏丸一条・日本料理
以前は姉小路堺町北東角にあった「縁」。
それ以前は「くずし懐石 縁」として暖簾を掲げていた割烹店です。
京都の割烹店で早くからジビエを供していた店です。
主の鈴木健夫さんは、ここ数年野菜やそれを作ることにも熱心で
「随分前からやってきたことが、やっと普通になってきました。
だからまた別のアプローチが必要だと」と。
口調は柔らかですが、言葉に重みがあります。
今回は『あまから手帖』の「料理人の書斎」という連載のロケハン。
スタッフで昼食です。
烏丸通に面した入口の暖簾には「縁」という文字のみ。
「くずし」ということばはありません。
店内も7もしくは8席のカウンターだけの小体な店になっていました。
サヤエンドウというかうぐいす豆に山椒が散らしてあります。
爽やかな季節を感じさせる一品です。
そしてもとに戻りますが、
折り敷きに置かれた箸置きが各人異なり可愛いのです。
造りは鯛としまあじです。
ねっとりしたしまあじの旨みは格別です。
ぐっと舌を押しかえす強さがあります。
椀物は、海老の真丈。
筍も入り歯応えも楽しめるのです。
焼き物は鱒です。添えられたゆべしと花山椒。
花山椒もそろそろ終い頃。
かすかな辛味やゆべしの旨みが鱒とのコントラストを演出。
しっかりした焼き物が出せるというのも実力。
そしてこの季節ならではの「若筍」です。
店によって様々なアプローチがあり、
楽しめます。
口直しに野菜にウニ、
そこに軽い酸味の効いた黄身酢がかかります。
酢の物ですね。
このあたりの技の利かせ方が鈴木さんらしい。
なんだか嬉しくなります。
鈴木さんです。
そして炊き立てのご飯登場です。
ご飯と香の物と汁。
この三点セットは日本人の郷愁ともいえるでしょう。
締めは苺のデザートです。
いい昼の時間でした。
カウンターの中から鈴木さんは消えることなく、
お客の動きを常に観察しながら、次々と料理を出してゆきます。
それをサポートする若き料理人が厨房の中で仕事を続けています。
このコンビネーションもなかなか素晴らしいと感じたのです。
非常に居心地がいい一軒です。
縁
京都市上京区烏丸通一条下ル龍前町589
075-411-1822
門上武司食研究所サイトに
2/05 付、
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投稿者 geode : 02:41