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2009年06月26日
「わさ」 東京都・八雲・中華料理
僕が、もっとも多く通った中華料理店は、岐阜の「開化亭」です。
そこで修業を積み、この春独立を果たしたのが、
東京・八雲の「わさ」という料理店です。
店主は山下昌孝さんです。
東京に住むデザイナーの友人と、都市開発に関連する
仕事を手がける女性プロデューサー達とでかけました。
上記の二人は「開化亭」の経験がないので、
基本のコースをお願いし、一品追加ということにしました。
一品目は、
ホタテとウニの揚げ餃子です。一口でぱくり。
バターが溶け、それが素材と絡み、胃袋全開です。
前菜の盛り込みです。
手前の小さな肉にみんな唸りました。
干し肉を塩などで漬け込んだものですが、これが鮮烈な味わい。
グッと酒を呼び、食欲をかきたてるのです。
湯葉の料理や、トマトと生クラゲ、棒々鶏、
スモークした鯖にザーサイのサラダなど、どれも極めて緻密であり、
大胆であり、食べ手の気持ちをくすぐる料理。
追加したフルーツトマトの冷製のビーフン。
3分間茹で、冷水で締めたビーフンにトマトの甘みが絡む。
「開化亭」より少し固めの仕上げ。ギリギリの線。
挑戦ですね。旨い。
フカヒレのスープ。
広東白菜、わわ菜、新生姜を入れ
上湯で8時間ゆっくり蒸し上げる料理です。
気持ちが和らぎ、うっとりします。
大正海老にコイカで、
コイカの中には内臓などが詰まっています。
そこに黄ニラと人参の炒めたものがかかります。
次は三元豚肩ロースの紹興酒煮込みです。
これが香りも素晴らしい。
そこに天津甘栗、自然薯、赤じゃが芋、サツマイモ、カボチャ、
里芋、れんこん、そしてツルムラサキ、大根です。
これらの野菜が主役かと思える旨さです。
大根はじっくり火入れをしたもの。のけぞる甘さでした。
添えられた郡上味噌も見事な相性で野菜を引き上げます。
三元豚は、
中華パンで挟んで食べる。
餃子も一つ。
れんこん、くわい、自然薯、こんにゃくが入ります。
牛脂と豚脂が入り、食感はややむちむちです。
ジャスミンティーのグラニテで口がさっぱり。
基本の炒飯なんですが、ネギが効いています。
ネギは二度に分け入れる。味わいと香りと食感です。
みんな「これは凄い」と驚嘆でした。
タマゴだけの料理。
このシンプルさで味わいは強烈でした。
マンゴープリンも濃厚です。
杏仁豆腐はぎりぎりの柔らかさ。
「開化亭と同じでは、と思いつつ、でも同じような料理も必要です。
少しずつ個性を出してゆきたいと思っています」と、山下さん。
食べる側は勝手なものです。
その時に食べたいものが一番なのです。
これから楽しみ、変化と進化です。
わさ
東京都目黒区八雲3−6−22
03−3718−2232
お知らせです。
新著「スローフードな宿2」(木楽舎)が発売となりました。
04年に出版されて以来、数十軒探訪した宿から今回は30軒の紹介です。
是非とも書店にてご覧ください。
門上武司食研究所サイトに
2/05 付、
☆『海外通信』Paris 通信 Vol.15
日本人のケータリンググループ“スケッチブック”
公開しました。↓
その他、
☆「名店の賄い」
第四回 「ショコラティエ なかたに」
☆『マスターソムリエ岡昌治の「心に残る今月の一本」
Vol.7「Ch. Lagrange ’01 (シャトー・ラグランジュ)」
☆「京都・名酒館 主人 瀧本洋一の『旨酒』」
Vol.4「野飲の醍醐味」
☆今月の「学会」レポート
2008年4月度「第64回 パトゥ」
も公開中。↓
投稿者 geode : 02:08