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2011年10月31日
「菊乃井 本店」 京都・円山公園・日本料理
打ち上げと歓送迎会という同時開催です。
新しくなったお部屋での会食です。
10月半ばの宴です。
始まりは八寸から。
秋刀魚サフラン寿司 栗茶巾 しらさ海老老酒漬け 子持ち鮎鞍馬煮
翡翠銀杏 いちょう芋 松葉素麺
季節の素材オールスターで、気持ちはすっかり秋ですね。
先付
蕪風呂吹き 胡桃味噌 叩き胡桃。
蕪と胡桃はゴールデンコンビ。
向付
一 鯛 うおぜ昆布〆 あしらい一式。鯛のねっとりした旨みに、うおぜに旨みが絡む。
ポン酢ジュレも仕事してます。
二 小鮪(こしび) 辛子 黄味醤油。
こしびの脂分に辛子が加わる。
辛子の香りが抜けてゆく。黄味醤油であらたな深まりが。
煮物
土瓶蒸し
鱧 松茸 三つ葉 酢橘。
たっぷり松茸が入ります。
この季節ならではの贅沢。
舌は素直に喜び、身体は次第に熱気を帯びてゆく恐ろしい煮物でした。
口直し
いくら 山葵おろし。
やわらかな味わいのいくら。大根おろしとの相性も素晴らしい。
焼物
飛び跳ねる鮎が、このような姿になります。
子持ち鮎塩焼き むかご 蓼酢。
どこまでしっかり焼ききるか。
それが技というものです。
香ばしさと苦味、甘味などの協奏曲です。
口取り
サーモン数の子絹田巻 壬生菜
〆さごし 酢橘 いちょう生姜
舞茸 胡瓜の胡麻和え 大葉
フォアグラ 菊菜菊花サラダ 酢橘
鯛の酒盗和え 長芋 花穂紫蘇 大葉
烏賊の粕漬け 煎り玉子
緻密な仕事とは、このようなことなのでしょう。
強肴
きのこ豆乳宝楽焼
舞茸 占地 木耳 穴子 人参 百合根 三つ葉 ふり柚子
かなりの熱さです。
熱いものがきちんと熱いまま供されるのは、嬉しい限りです。
そして御飯は、
松茸御飯 三つ葉。
ここまで松茸。嬉しいですね。
また、
同じ膳で供される止椀は、
百合根すり流し 百合根団子 七味。
このすり流しの旨しこと。大きな拍手です。
香物は
蕪と蕪菜浅漬け 塩昆布。
水物
ほうじ茶アイス 丹波路松風。
アイスでほっとします。
締めは
百合根と黒砂糖のお菓子。
「菊乃井」の美学というか、
村田さんの世界感が表現された料理でした。
料理と女将さんを始めとするもてなし、
そして空間の美しさも含めて料亭は成立しているのでした。
菊乃井 本店
京都市東山区下河原通八坂鳥居前下ル下河原町459
075-561-0015
最新刊のお知らせです。
門上が「あまから手帖」で連載中の「僕を呼ぶ店」が
「門上武司の僕を呼ぶ料理店」という単行本となりました。
投稿者 geode : 01:18