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2012年10月26日
「龍吟」 東京・六本木・日本料理
その日、「龍吟」のテーブルを囲んだ人達は、
僕達のテーブル以外は海外からのお客さんばかりでありました。
神無月の御献立
秋野菜色々 松の実和えに仕立てて。
温かいつき出しです。
それもほんのり温かく、気持ちをほっこり和らげてくれます。
蟹みそ豆腐を模した鮑の肝豆腐 煮鮑とワタリ蟹をのせて
蟹酢の冷しあん 仕立て 煮鮑の出汁を添えて。
プレゼンテーションが見事。
大きな鮑の殻をそのまま見せ、開けると料理が出てきます。
冷たい料理に、温かなあんがかかります。
鮑は10時間蒸しということです。
鮑の肝豆腐の味わいが優美です。
そこで供された飲み物。
ワイングラスに注がれ、やや濁り気味。
「清酒のにごりですかね」と話していましたが、
飲むとなんと、氷だしの玉露でした。
鮑の感じをすっきりとフラットにしてくれます。
「露華」と書かれたエチケット。
すべて厨房で作られ、ワインボトルにつめられるとのこと。
おどろきでした。
北海道産極上うにのレース包み サクサク揚げ
ずんだ豆を絡めて 焼茸のすり流しを添えて。
うにの濃厚な味わいが弾けます。
ずんだ豆との相性が素晴らしい。
ここでまた飲み物。
これが「金龍」とかかれた茶です。
高山茶。
乳香がしっかりします。
これがうにとよく合うのです。
引き立て 一番出汁への想い
炭火で炙った赤ムツと松茸の椀 秋仕立てで。
まずテーブルにかつおぶしが運ばれ
「このかつおぶしを使い、2分間で香りをつけます」との説明。
赤ムツ、のどぐろです。
炭で焼かれた香りをしっかり感じ、
松茸の香りも含んだ椀が喉を通るときには、思わず笑みがこぼれます。
本日のお造り盛り合わせ 龍吟仕立て。
イクラ、鳴門の鯛、伊勢海老、鳴門のアオリイカ、萩のサワラ。
それぞれに醤油やすだち・塩など相性を考えてあるのです。
よって、より素材の味わいが強調されます。
秋の彩りを一皿に 秋刀魚 秋茄子 栗 銀杏を散りばめて。
右側にあるのは桃のガリです。
これが脂ののった秋刀魚と合うのです。
ふわふわの栗も素晴らしい。
秋の焚き合せ 柔らか仕立ての蛸とサエズリ 秋野菜と共に。
サエズリは関西人にとっては、ある種の郷愁の味わいです。
ここでも紫音というお茶がでます。
これは小豆茶をアレンジしたものです。
シェフ山本 スペシャリテ
全国各地より送られてくる天然鰻の炭火焼 だだ茶豆 御飯 海老の赤出汁。
皮目をパリっと焼かれた鰻の香ばしさと旨みのハーモニー。
「鰻は1.5キロあります」と。
だだ茶豆御飯も楽しいです。
それが終わったところで
「副料理長が毎日打っている蕎麦はいかがですか」と。
迷うことなくいただきました。
柚子の皮を振っています。
ふたつの葡萄です。
一つは、割ると中から粉々の葡萄がでてきます。
そこにデラウエアとブルーベリーのソースをかけます。
口のなかで一気に葡萄となるのです。
焼きたて吟醸酒のおやきと玉子クリーム。
おやきはスフレで、しぼりたての濃厚クリームも鮮烈です。
薄茶で締めです。
いわばめくるめく体験。
料理人、サービス、ソムリエなど
プロフェッショナルがチームを作っていると感じました。
「龍吟」
東京都港区六本木7-17-24 サイド六本木ビル1F
03-3423-8006
投稿者 geode : 02:01