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2012年12月06日
「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」 フランス・パリ・イベント
原点回帰 一つの共通する料理哲学と、世界で異なる表現のかたち。
レストラン「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」で、
アラン・デュカスが提唱する「原点回帰」。
これをテーマに、4つの国の異なる 感性を持つシェフが個々に表現するこの企画は、
今年1月より すでに3回に渡って繰り広げられてきた、料理で世界を巡る旅です。
本企画の最終回として、「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」は、
日本料理店『菊乃井(京都)』の総料理長、村田吉弘氏を招聘いた します。
プラザ・アテネ総支配人フランソワ・デライエとアラン・デュカスは、
村田吉弘氏による特別ランチに皆様をご招待申し上げます。
優れた才能を持つ日本人シェフの哲学と料理をご堪能ください。
このような案内のもと、
2012年12月4日、特別ランチはスタートしました。
会場に集った人たちは66名、
パリ在住のジャーナリストやシェフなど多彩なメンバーです。
その前に厨房では最終の打ち合わせ、
それぞれの著作をプレゼントするなど、
和やかな雰囲気のなか進行してゆきました。
シャンパーニュを飲みながら、全員が揃うのを待ちます。
アラン・デュカスさんと村田さんの挨拶が終わると、
いよいよ特別ランチの始まりです。
僕達のテーブルは「顔見世」というネーミングでした。
メニューも並んでいます。
最初は
柚子釜豆腐 柚子味噌 あられ柚子。
柚子を器にして中には柚子風味の豆腐が入ります。
その上に柚子味噌が乗り、細かく切った柚子が振ってあります。
温かいつき出しです。
柚子はフランスで調達。
味噌は日本からの持ち込みです。
柚子の存在感のある一品です。
平目 土佐醤油 手長海老 黄味醤油
まとう鯛昆布じめ ぽん酢ゼリー
山葵 菊花土佐酢漬け より独活人参
これは刺身で、盛り付けはモダンそのもの。
また、つけるための醤油がありません。
「醤油をつけると醤油の味ばかりになってしまうので、それぞれに工夫を凝らしました」
というのが村田さんのコンセプトです。
印象としては、刺身よりサラダ感覚です。
百合根饅頭 鶉丸フォアグラ トリュフあん
結び大根人参 トリュフ
これは椀の蓋を開けるなり、トリュフの香りが一気に漂ってきます。
トリュフと根菜類の相性は見事です。
出汁は昆布と鰹の出汁にキノコ類などが加わります。
しっかり旨みの利いた椀物でした。
あんには葛が入ります。
ぐじ唐墨粉焼き&蛤うに焼き 和布 酢橘
これも旨みの重ね方が素晴らしい。
このうにやぐじにソムリエが合わせたロゼが驚くほどぴったりの相性でした。
牛肉大和焼き じゃが芋あん 三度豆 針柚子
和牛は神戸牛のA5ランクです。
そこに味噌が添えられるのですが、
そこにはシャンピニヨンなどキノコ類、
醤油、酒が入り旨みが重層的になります。
じゃが芋のピュレには一番出汁と葛が入り、
味わいにふくらみ、
食感に滑らかさを生み出しています。
締めは
鯖寿司サフラン酢飯 ピンクペッパー 甘酢
サフラン酢飯がきちんと鯖を受け止めています。
フランス人にとって、寿司は前菜というイメージが強く、
ここで供されたのは少し意外であったような感じです。
これは食文化の違いです。
デザートは
生姜飴アイス 焼き林檎
生姜飴のアイスは、生姜の味わいのあとに生姜飴の食感が残るのが面白いです。
焼き林檎は、醤油のキャラメリゼはすごくきいています。
村田さんは
「料理は見た目に日本料理とわかりにくいかもしれません。
でもバターもクリームも使わず、
ここまで旨みを感じさせるのが今回の料理でした。
できるだけ、現地の食材を使うというのがコンセプトです。
そうでないと、日本料理は世界に広がってゆかないのです」
と話されていました。
今回のイベントにいろいろな意見が交流し、
日本料理が世界に発信されてゆくのです。
「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」
Hôtel Plaza Athénée 25 avenue Montaigne 75008 Paris
01 53 67 65 00
投稿者 geode : 01:30