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2013年08月09日
「NARISAWA」東京・南青山・フランス料理
「NARISAWA」のオーナーシェフ・成澤由浩さんは、
今年の辻静雄食文化賞専門技術者賞を受賞されました。
その理由は以下のとおりです。
『世界のガストロノミーと常に深いかかわりをもち、
その大きな潮流の中で徹底的?に自分の料理を考え抜く姿勢は見事で、
日本の食材を使い、日本人ならではの、
?日本でしか成立しない料理を実現していることを高く評価されました。
社会と積極的?にかかわりながら、
料理とレストランという空間を通して独自の世界観を表現する成澤シェフの姿は後進に与える影響力も多大です。』
(辻調グループ総合情報サイト より)
手渡されたメニューには
Summer Collection, 2013とあり
「森とともに生きる」とテーマが記されています。
まずテーブルに届いたのが
「森のパン 2010」苔。
発酵中のパン生地です。
中に木の芽などが含まれています。
このテーブルプレートのNARISAWAの文字が美しい。
お箸も用意されています。
炭と記された料理。
コロッケですが、周りは真っ黒です。
次は森のエッセンス・里山の風景
左手の木の器には杉と楢の木に浸した水です。
その香りがしっかり感じる水を飲むと、
気分がなぜかほぐれるというかゆったりします。
右手にはシェフが描く里山の風景です。
ゴボウの皮は天ぷらと生で。
おからや石川県産の野菜です。
人間にとって里山の存在がいかに大事かというプレゼンテーション。
さあ、一列に並んだのが「土 2001」。
土のスープです。
口にふくむとたしかに土の味わいです。
でもスープとしての美味しさも感じます。
「季節によって味わいも違います」とシェフ。
続いて発酵と書かれた料理。
飛騨牛イチボの味噌焼きです。
まさに味噌は日本の発酵技術の象徴のような素材。
黒にんにくを3〜4日じっくり火入れをしてペースト状にします。
白いのは豆腐味噌にチーズなどが入ります。
新玉ねぎとフレッシュのアーモンドが加わります。
新たな飛騨牛の味わい方。
発酵してきたパン生地を熱々の石鍋に入れ焼き上げます。
出来上がりはこんな感じです。
左にあるのはバター。
つぎは「沖縄」です。
これはいらぶ(海ヘビ)のスープ。
中には仔豚とターン芋です。
すっきりしていますが香りたかい味わいです。
そして「祇園祭」加茂茄子です。
加茂茄子がメインですが、
そこに色を入れたりすることで祇園祭の印象を与えているのです。
山車を想起させます。
ラグジュアリーエッセンス2007活ラングスティーヌ。
まずはスープが並びます。
これは豚、鶏、生ハムなどを蒸して作ったスープです。
皿には手長海老とじゅんさい。
そこにスープを流し込みます。
スープと手長海老の甘みが素敵なマリアージュです。
能登の岩ガキと天橋立の新玉ねぎ。
サクラのチップで燻された煙です。
その香りをまとった岩ガキです。
程よい苦味や薫製の香りなどが渾然一体となって素敵な味を作り上げました。
スッポン。
これは炭火焼きです。
骨に近い部分までかじって食べるのです。
バルバリー鴨。
ビーツを使い、血のソースのようなイメージを作っています。
抜群の火入れで、鴨の持つジューシーな味わいが見事です。
放牧豚。
肩ロースの脂の旨いこと。
抹茶。
ここで口がすっきりです。
イチゴ・酒粕・葛餅。生姜のクリームや原種の苺など。
各種デザートのオンパレードです。
マカロンはカカオの含有量違いです。
料理はコンセプトが明快で、その意思がストレートに伝わってきます。
またサービス体制が素晴らしいのです。
食べ手が観られているという意識なしに、
きちんとサービスされるのは見事としかいいようがありません。
「NARISAWA」
東京都港区南青山2-6-15
03-5785-0799
投稿者 geode : 01:07