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2014年12月15日
「RYORIYA Stephan Pantel りょうりや ステファン パンテル」 京都・柳馬場丸太町・フランス料理
この春、独立を果たしたステファン・パンテルさん。
祇園の「ケザコ」でシェフを勤めた後である。
流暢な日本語を喋リ、大原や静原まででかけ野菜を仕入れる、
などしっかり地元の料理人や生産者と結びついているのだ。
日本人が日本でフランス料理を作るのと、
フランス人が日本でフランス料理をつくる。
それぞれの意味合いは異なるはず。
そこにはそれぞれのイメージが出来上がる。
そのイメージを体現するのも大切かもしれない。
今回で二回目の訪問。
前回はランチであった。
今回はディナーである。
カウンターに座る。
スタートの一皿。
新米のピュレはマスカルポーネと混ぜる。
上には鯖だ。
赤紫蘇ビネガーのジュレがかかる。
煎った新米もパラリ。
新米がチーズと出会い一気に国籍を失う。
だが、それはグローバルな世界への入口でもある。
鯖も美味だし、驚いたのはパンとの相性が秀逸。
二皿目は、
スペッシャリテのフォアグラのコンフィの奈良漬け巻き、
南国のソースである。
この発想はステファンだから可能となったこと。
南国のフルーツの酸味と甘味が寄り添うことで真価を発揮する。
またお皿の色使いもシェフならではの世界ができている。
スープなのだが、栗のスープと鰻である。
鰻は秋から冬が旬なので、
旬の食材を使ったといったメニューとなるのだが、
これまたシェフならではである。
ローストした鰻のスモークは見事だ。
海老とアーモンドと菊菜のフラン。
これも甲殻類の香りと味、
海老のコクなどの調和が取れ、完成する。
鯛に海老芋である。
鯛の骨をローストした液体で野菜に火入れだ。
レモンの香りもプラス。
魚料理だが、野菜の持つ力強さ。
調理場の動きに無駄がない。
まさにそちらがステージだと感じてしまうほどである。
シャラン産の鴨。
モモは菊芋などと一緒に。
胸肉はロースト、味噌を少しつけながらである。
優しさに満ちた味わいである。
この時に使うナイフが「有次製」で「ス」と描いてある。
この切れ味の良さも見事としかいいようがない。
これも我々ではなかなか思いつかないアイディアだ。
デザートはバニラと白味噌のクリーム。
柿とラム酒のゼリー。
トリュフのクリームを添える。
贅沢ながら香りのデザインが素敵。
ミニャルディーズ。
焼物の可愛い珈琲カップ。
フランス人だからできる仕事、
フランス人でないとできない仕事。
それもしっかり考える時間でもあったのだ。
そしてシェフの料理はどんどん進化を続けるのであった。
「RYORIYA Stephan Pantel りょうりや ステファン パンテル」
京都府中京区柳馬場通り丸太町下る4-182
075-204-4311
投稿者 geode : 01:52