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2015年06月11日
「緒方」 京都・綾小路西洞院・日本料理
東京から食いしん坊が京都に集合。
東京に帰る直前の食事に同行した。
「緒方」。何年かぶりだ。
この日は奥の個室での食事。
テーブル中央にはどんと器に入ったとり貝が置かれていた。
目に訴える力も強い。
それが引かれ、登場したのが真っ黒な塊である。
加茂茄子。
皮目はこんがり焼かれている。
中は瑞々しい。
香りは鼻腔を刺激するのだ。
身質は詰まっているが、甘味が鮮烈。
最初からインパクトあり。
つづくのが鮑の料理。
蒸し鮑。
下には御飯が敷かれ、飯蒸し状態。
そこに蒸し鮑、上から鮑のすりながしがかかる。
磯の香りと食感の違いから生まれる作り手の情熱を感じる。
造り。
平戸の赤ウニと明石の黒コチ。
どちらも凝縮感たっぷりである。
「水の波動です」と出された椀物。
なんと玉ねぎのみ。
だしの加減、玉ねぎの厚みと甘味、温度などが
ぎりぎりのところでバランスを保った潔い一椀であった。
椀物の次は、ビワマスの天ぷら。
ビワマスは幽庵地に漬けてから揚げる。
脂ののりぐあいも見事。
そして桜海老の天ぷら。
これは口福の海老煎餅である。
一部、天つゆをくぐらしているのも技である。
琵琶湖の天然鰻に新ごぼうの天ぷら。
鰻はさっぱりとした味わい。
新しい八幡巻きが口の中で拡がってゆくような感覚を覚えた。
とり貝の肝とひも。
濃厚な味わいで、清酒を呼ぶ。
目の前で緒方さんがとり貝を焼いてくれる。
火が入ることで甘味がぐっと浮き上がってくる。
甘い液体が弾ける。
豆ごはん。
豆はそのままの形を残し、また分量も多い。
香りと甘味にやられてしまう。
マグロの漬丼。
卵の黄身が加わることで料理店の漬丼になっているのだ。
海苔茶漬。
海苔の分量が半端ではない。
じゅんさいと黒蜜。
さっぱりとした一品。
しょうぶ湯。
「日本のハーブティです」とのこと。
香りがいい。
緒方さんの独自の世界をしっかり楽しみ、会話が弾んだ食事であった。
「緒方」
京都市下京区綾小路西洞院東入新釜座町726番地
075-344-8000
投稿者 geode : 01:19