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2016年07月27日
「オルト」 京都・衣棚三条下ル・イノベーション
「リストランテ オルト」から「オルト」への変更。
そこにはイタリア料理というカテゴリーからの脱却がある。
イタリア料理、フランス料理、日本料理、中国料理などのジャンルに拘泥するのではなく、
これまで学んできた世界をベースにしながら各国の長所や伝統などを組み入れ、
その個人でないと成し得ない世界観を提供することが注目される時代でもある。
まさに「オルト」の谷村真司さんは、そこに飛び込んだ。
「何料理というのは、難しいです」という言葉からこの日は始まった。
定番となった黒ニンニクのクッキーである。
手でもって食べる。
黒ニンニクは旨みがたっぷり詰まっている。
ピュレは、クリームにフロマージュ・ブラン。
その軽やかな酸味がいい。
ウニのアイスクリーム。
下にはキュウリと海ぶどうが敷かれる。
ウニの香りと味わいがほのかに漂う。
同時にこのグリッシーニが出されるが、
ここに添えられたミントの葉っぱをウニのアイスクリームに細かくしてふりかけると、
ミントの香りでウニの味わいの輪郭が浮きだつ。
ハモのフリット。
コロモはカダイフ、泡はフェンネル。
食感と風味のプレゼンテーションである。
蓋を開けると赤紫蘇の香りが立ち上る。
約40種類の野菜が入る。
そこに梅のかき氷をかける。
器の中には赤紫蘇のゼリー、赤玉ねぎのヨーグルトが忍ばせてある。
それらを混ぜあわせるドレッシングとなり、野菜は生、常温、軽い火入れなど調理がされ、
それぞれの味わいがクリアとなり一皿としてのまとまりもうれしい。
パン生地がこんな形で現れる。
それをオーブンに入れ、ほどなくすると焼き上がるという仕掛け。
香ばしさと小麦の香りがいい。
夏には鮎である。
鮎はいろいろな料理人が挑戦するメニュー。
谷村シェフは三枚に開き、中はマッシュポテトと苦玉を合わせたものを挟む。
頭と骨はせんべい状に仕上げる。
ソースは肝とセロリの2種。
パスタはタコにパプリカのソースにコンソメジュレ。
この一体感が見事なバランス感覚。
黒ムツはズッキーニと白いソース。
この白いソースはリコッタチーズとスモークの香り。
上にはズッキーニの花びらのフリット。
天草大王という鶏。
しっかりした歯ごたえと弾力が特徴。
味わいも深い。
赤のソースはナスとトマト
グリーンはとうがらしとスパイス
白はココナッツ風味
ココナッツはグリーンカレーを想起させる。
鶏、モモはロースト、胸は蒸しである。
なんと締めはラーメンである。
全粒粉で打った麺に鶏の骨でとったスープ。水茄子の揚げ茄子が入る。
これにはやられたという感じだ。
新生姜のアイスクリームにパッションフルーツと実山椒。
これも香りが面白い。
アメリカンチェリーを使ったセミフレッド。
そこにすももの温かいソースをかける。
程よい温度と酸味のあるソースがインパクトあり。
ほうじ茶のクッキーには抹茶
ゴマのメレンゲ。
フィナンシェには一休寺納豆。
イタリア、フランス、日本がそれぞれの特徴を生かしながら各皿でコラボーレート、
またコースのバランスも熟考されている。
「食べられて何料理と思われましたか?」
「オルトの料理としか・・」
季節が変わればでかけたい。
「オルト」
京都市中京区衣棚通三条下ル三条町337-2
075-212-1166
投稿者 geode : 01:10