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2016年09月01日
「祇園さゝ木」 京都・祇園・日本料理
「祇園さゝ木」のカウンター。
佐々木劇場の舞台である。
見る側と見られる側。
カウンターを挟んで、常にこの立場は入れ替わる。
佐々木さんは、その流れを理解し、献立を組み立てるも、
その場の空気を読んで即座に言葉を選ぶ。
この感覚がずっと満席を続ける秘訣なのであろう。
スタートは豆腐のムースに海老、らっきょう、奈良漬などをシャルドネのゼリーで固める。
涼し気な景色だ。
これまで天ぷらを出さなかったが、初めての天ぷら。
長野県のていざ茄子にイチジク、オクラ、ごまだれにフォアグラの冷製。
フォアグラはスモーキーな香り。
茄子は、口に入れると瞬く間に消えてゆく。
椀物は鱧と松茸。
この組み合わせがどんどん早くなってゆく。
琵琶ますはミョウガとおろし。
そこにかぼすの割醤油。
ねっとりした舌触りが、余韻を長引かせる。
剣先烏賊にはムラサキウニがどっぷり。
混ぜると、ウニがソースのようになってゆく。
寿司は手渡し。
これは佐々木さんの流儀だ。
大間のマグロを一分間づけ。
舌に張り付く感じと鉄分の香り。
新サンマは炙りで。
この綺麗な脂分が一瞬に液体に変わってゆく。
鮎は炭床でじっくり焼かれる。
和良川の鮎も、頭から尻尾まで食べる。
にしんと茄子、人参葉。
おばんざいだが、このポイントで供されるとホッコリするのだ。
これも佐々木流。
鮑の柔らか煮。
鮑に歯を入れる度に旨みがこぼれる。
オイスターソースの味もポイント。
トマトソーメン。
さっぱり、すっきり、最後にトマトの香りと味が残る。
ねぎとろの手巻き。
目の前でトロとネギを叩いて作る。
これも佐々木劇場ならではの仕事。
大きな蓮の葉にジュレ。
それが下に落ちて完成。
バジルのアイスクリームにマンゴなど。
これにて佐々木劇場の終幕。
ドラマティックな流れにカウンターのお客は魅了されるというわけ。
あっという間の2時間強であった。
「祇園さゝ木」
京都市東山区八坂通大和大路東入小松町566-27
075-551-5000
投稿者 geode : 01:13