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2016年09月20日
「鉄板料理 嵯助」 大阪・なんば・ステーキ
「ブルー」という肉の焼き方がある。
フランスでは、レアと生の中間に位置する。
彼の地では、牛肉が冷たいこともあるという。
ここ「鉄板料理 嵯助」のブルーは、焼き色がほぼつかずほんのり温かさがある。
レアより甘味を感じる。これは初めての経験ともいえる。
主・田中重希さんが、選びぬいた牛肉だからこその技だ。
すべての料理を鉄板で作る。
鉄板を使う料理人の矜持のようにもうつる。
カウンターは8席。一日二組限定。
「5人様なら自動的に貸し切りになります。なにせ自分一人でやっているので・・」
と田中さんは語る。訪れた日も、我々のグループ4名とカップルのみであった。
とにかく調理は田中さんがすべてをまかなう。
この日のメニュー。
北海道の新さんま。
脂のノリ具合は、喉を鳴らすよう。
しらす、うすあげ、水菜。
塩の感じとシャキッとした食感。
鉄板の上でスープが沸き立つ姿が食欲をそそる。
舌平目とあさりと松茸。
開くと松茸の香りが蠱惑的。
あさりのジュも濃厚だ。
野菜の盛り合わせにラクレットチーズ。
チーズがソースとなり、コクを与える。
甘鯛は皮目をカリッと焼き上げ、その香ばしさがご馳走。
炭塩、大葉の新芽。
アワビのステーキ。
肝ソースはヴァンブランソースで伸ばす。
アワビは香りがおいしさ、ソースとの出会いが印象を高める。
残ったソースはガーリックトーストとともに。
さつま黒牛のサーロインとシャトーブリアン。
これがブルーの状態。蒸し焼きがなせる技だ。
次はすき焼きである。タレをつける。
溶き卵と一緒に食べる。
残った卵は卵かけごはんとなる。
デザートは蕎麦の実を鉄板で火入れをしながら細かく砕く。
それと黒豆きなこをまぜ、アイスクリームにかける。
蕎麦の実のカリカリの噛み具合絶妙だ。
田中さんは、コーヒー豆の販売からステーキに転身したキャリア。
コーヒーに関して、ステーキあとの味わいには注意を払う。
自ら淹れるのだが、最初に抽出する極く少量のコーヒーを捨てる。
「苦味はあるのですが、すっきり飲んでいただきたいので、このスタイルを取りました」と。
まさにそのとおりの味わいで、食後のコーヒーとして非常にうれしいクオリティである。
「鉄板料理 嵯助」
大阪市中央区道頓堀2-4-2 道頓堀ホーセンビル6F
06-6211-0122
投稿者 geode : 01:16