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2016年10月25日
「京、静華」 京都・岡崎・中国料理
「京、静華」宮本静夫さんの料理を食べると、気持ちが豊かになる。
御年65歳。常に深化と進化の痕跡を感じる。
いまも、縁のある料理人さんたちと勉強会を続ける。それもまずは中国語の理解から始まる。そして古典料理の再現と進化を学ぶ。数度、現場を垣間見たのだが、学ぶ姿勢というか、宮本さんの一言一句を聞き逃さないという雰囲気が伝わってきた。
中国料理の現在過去未来を鳥瞰するようなコースの組み立てに、豊かさを感じるのである。豊かさを提供するには知識と経験と智恵などが備わってこその世界観だとおもう。
宮本さんの料理は、優しい。しかし、記憶にずっととどまっている。
一緒に食べた仲間と語らいが生まれる。
数日はその余韻を楽しむことができるのだ。
この日は男性4名。2名は「京、静華」初体験。もう一人は3回目という。
少し早い時間のスタートであったので、奥の個室となった。
2名は、供される料理すべてに賞賛であり、「これはすごい体験です」とも話していた。料理が運ばれてくると、その皿への思いを語り、次からは別の話題に移ってゆくのだが、そのリズム感がとても心地良かったのである。
この日もやはり上湯の一皿は感じること多しであった。
季節の松茸、汲み上げ湯葉、フカヒレが入るのだが、松茸は歯を入れる度に秋のエキスが口内に広がり、湯葉のとろけた舌触りにフカヒレの繊維質が絡まってくる。それらを真綿で包み込むのが上湯の力である。
この上湯を飲む度に、宮本さんでしかありえない奥深さと広がり、そして深遠なる世界と味わいを感じるのであった。
もう一皿、海老のチリソースに出会った。
まずは皿に火入れされた海老とポーチドエッグが置かれる。
ほどなくしてチリソースがかかる。
ソースは海老の殻からとり、スパイスを加える。
ソースを含むと辛味を感じる。そこで海老とポーチドエッグを食べると、なんとも丸い味わいになってゆく。ソースはカレー風味の饅頭で食べる。
またしても記憶の襞に刻み込まれると思った。
秋刀魚をウーロン茶と米で香りをつけ、マコモ茸と。
中華風お刺身。
明石の鯛にピータンのピュレやナッツ類などが入る。
いつもはグラスで立体的な盛り付けだが、この日は平皿。
ヤリイカ、銀杏、栗にキノコと秋の味覚。
松茸、汲み上げ湯葉、フカヒレの上湯。
海老のチリソース。
カレー風味の饅頭。
フィレ肉の酢豚。蓮根、リンゴ、イチジク、サツマイモ、四角豆。
上海蟹のおかゆ。
少し辛めの担々麺。
杏仁豆腐。
かぼちゃの饅頭・金木犀の香り。
ぶどうのシロップ漬け。
杏の種のクッキー。
フルーツティー。
かくして優雅な食事の時間が流れていった。
「京、静華」
京都市左京区岡崎円勝寺36-3 2F
075-752-8521
投稿者 geode : 01:43