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2016年12月15日
「鰻 にしはら」 大阪・谷町4丁目・鰻
背中を裂かれ、串打ちをされ、蒸気を全身に浴びる。そしてタレをまとい焼かれるわけだ。
当事者の鰻は絶命後、まさかこのような仕打ちをうけるとは想像もしていないにちがいない。
そうして僕達人間の胃袋に収まってゆく。
だからこそ「いただきます」と言葉を発するのだ。
つまり生き物の命を頂いているのである。
谷町4丁目近くの「鰻 にしはら」は関東風の焼き方で鰻を供する。
よって焼き上がりまで時間がかかる。
骨せんべいが出た。
同行の仲間は「これで酒が飲める」と上機嫌。
カリッと香ばしく、ついついポリポリと食べてしまう。
次のうざくでびっくりである。
アイテム数が多すぎる。
とりわけ山芋の食感と鰻の相性の良さ。
肝焼き。一人前だ。ボリュームたっぷり。
肝が持つ苦味は焼くことで甘味とのバランスが生まれる。
贅沢気分である。
うまき。
これは卵の優しさと柔らかさが鰻を包みこむ。
鰻の焼き物という本陣に向かう前の儀式として気分が昂ぶる。
うな重のまえに白焼きを食べる。
鰻の甘さがなんであるかを知る。
歯を入れるというより、自重で崩れてゆくさまが愛おしいのだ。
香りと甘味の饗宴である。
いよいような重。たれをまとうことで味わいに複雑さが生ずる。
これはご飯との一体感が大切。ご飯と絡むことで、またあらたな味わいも発見できる。
うなぎをしっかり食べたという満足感にひたり店を後にしたのであった。
「鰻 にしはら」
大阪市中央区北新町4-12
06-6926-4478
投稿者 geode : 01:23