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2017年01月06日
「高台寺和久傳」 京都・高台寺・日本料理
和久傳といえば、間人の蟹である。
年末、それを食べる機会があった。
玄関から座敷に向かう前に待合がある。
そこでお茶をいただくのだが、一つの皿を見て驚いた。
隣にマッチが置いてあるので灰皿だと思うのだが、中には美しい貝殻が入っている。そこで煙草を吸うにはかなりの勇気が要るなと思った。
座敷に入り、最初に運ばれてきたのが大きな貝殻だ。
開けると、赤貝、ブリ、紅芯大根が入る。
軽い酸味のあるジュレがかかる。
赤貝とブリ、季節の産物がうまく組んである。
続いて登場したのが間人の蟹。
迫力である。
次は大きな葉に覆われた器が現れる。
開けると白味噌の出汁だ。
なかには熊が入る。熊と白味噌の椀仕立て。
熊の上品な脂と白味噌が渾然一如となっていた。
喉を通過する快感を覚えた。
蟹!まずは脚である。
すだちと塩があるが、まずはそのまま食べる。
自然の塩分と甘味が融合する。
少し塩をプラスすると甘味の輪郭がくっきり。
コッペ蟹も登場した。
年内で終了のコッペ蟹。この甲羅に詰まった味わいは忘れがたい。
爪酒である。
先程の待合、この姿で焼いてくれるのだ。
脚と爪をいただく。
和久傳名物 からすみもちも。
これはうれしい。
甲羅に入った味噌と出汁。ここにご飯とわさびをいれてかき混ぜてもいいなと思う。
海老芋とイノシシ、山椒醤油がなんとも素敵だ。
蟹そうめんを食べて、料理は終了。
柑橘のゼリーでさっぱり仕上げて完結である。
昼間とはいえ、非常に豊かな時間が流れていた。
「高台寺和久傳」
京都市東山区高台寺北門前鷲尾町512
075-533-3100
投稿者 geode : 01:02