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2017年04月03日
「星のや京都」 京都・嵐山・宿
船に揺られて宿に向かう。
僅かな時間だが、気分が高まる。
夏の頃なら鮎だろうなどと想像をたくましくする。
ゆったりしたカウンターに座る。
五味自在と書かれた献立がある。
それを開くときから食事は始まっている。
カウンターは、厳粛と覇気が交差している空間である。
その狭間を食べ手がいかに振る舞うか。それも食事の愉しみだ。
料理人の動きが空気を動かす。
微細な動きやダイナミックに流動するときもある。
「星のや京都」のカウンターは、十二分にその愉しみを教えてくれた。
料理は一期一会である。夢のように儚く、またしたたかに記憶の襞に思いを閉じ込める。
弥生・五味自在
3時間弱の食事であったが、そんな思いを巡らすことができた。
儚いのは思いであって、料理は強靭な精神に裏打ちされた世界がある。
先附
清流レタスの萌木寄せ
甘海老昆布締め レタスはムース仕立て
八寸
春爛漫の肴核
鯛子旨煮
飯蛸桜煮
筍塩子和え
子持ち諸子木の芽焼き
蛤時雨煮
鱚手毬
化粧豆
味の強弱が見事な設え。
向附
変わり造里小春仕立て
竹筒に立体的に盛り込まれる。
鯛、ふきのとう、白子、塩水うに、わらび、ここみなど春の食材がぎっしり。
椀物
桃花餅白味噌仕立て
連子鯛が使われる。
焼物
鰆新菜種焼き
菜種の香りが印象的
強肴
牛フィレの炭火焼きと旬野菜の含メ煮
レアでありながら火はきっちり入る。
御飯
筍飯
筍と穴子の饗宴
デザート
季節のデザート
水菓子
季節の果物
めくるめく時間の流れであった。
「星のや京都」
京都市西京区嵐山元録山町11-2
0570-073-066
投稿者 geode : 06:52