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2017年12月01日
「フロリレージュ」 東京・神宮前・フランス料理
今年度版のミシュランガイドで二つ星を獲得した「フロリレージュ」。
「アジアベストレストラン50・2017」では14位となった。
川出寛康さんは、勢いのある料理人です。
レストランはビルの地下だが、天井高が結構あり、一旦席につくと地下であることを意識させない。
大きなコの字型のカウンター。中でスタッフが動く。
その姿がじつに微笑ましい。活気があるのだ。
シェフも見事にその一人として動いているのが分かる。その雰囲気を味わうだけでも値打ちがあると思った。
見ていて伸びやかさがあるのだ。
スタートは焼き芋である。
まさに焼き芋。小枝に刺された芋が出てくる。
一気に子供の頃、近くの空き地で焚き火をした記憶が蘇ってくる。
そして川手さんの世界に魅せられてゆくのだ。
イワシのフィレ。
玉ねぎのアイスクリームなどで演出。
演出と書いたが、いかにディレクションするかで印象が大きく異る。
アイスクリームが体温で溶けてゆく。
まだまだ序章であると思う。
パンは熱さを保ち、弾力がある。
酒粕の蒸しパン。ふんわり酒粕の香りを感じる。
カブのババロア。
この形と色合が美しく、視覚に訴える力が強い。
それ以上にカブのホロ苦、甘味が口で柔らかくなってゆくさまに驚く。
しいたけのフラン。
原木しいたけが持つ濃密な味の塊。
トリュフの香りが加わり、まさに森のイメージが形成される。
経産牛のカルパッチョ。
これは川手シェフの哲学である。
黒毛和牛の経産牛の行く末、フードロスなどを考えた結果の賜物。
わらの香りを纏ったジャガイモなどの効果もあり。
カキにはレモンのメレンゲやおかひじきなどを添える。
酸味、苦味、うま味、甘味、塩味という五味がうまい具合に構成される。
サーモンには卵黄のソース。
この卵黄を潰しながら味の変化を楽しむ。
食の在り方を考える哲学と、シェフとしての遊び心がうまいバランスで皿の中、コースの組み立てに反映される。
このホロホロ鳥の焼き色を見ただけで胃袋が反応する。
中にはもち米、九条ねぎなどがつまり、ホロホロ鳥のジュがもち米に移り、またねぎの香りも加わり、ホロホロ鳥が別物のような味へと変わる。
和歌山のみかんを使ったデザート。
さっぱりすっきり。
熱々の鉄の器。
フロマージュ・ブランとごま油。
岩手のフロマージュ・ブランである。熱さで固さが変化し香りも立ち昇る。
締めはチョコレートのオムレツ。
これもシェフのスペッシャリテ。
堪能した。
ミニャルディーズ。
エスプレッソでエンディング。
川手シェフの世界にどっぷり浸かる。
とても心地のよい空間と時間であった。
「フロリレージュ」
東京都渋谷区神宮前2-5-4 SEIZAN外苑 B1
03-6440-0878
投稿者 geode : 01:13