« 「グリルフレンチ」 京都・御池小川上る・洋食 | メイン | 「八楽」 京都・下河原・中国料理 »
2017年12月20日
「齋華」 京都・泉涌寺・中国料理
久しぶりの「齋華」である。
夕方6時にはすっかり暗く、ぽつりと「齋華」の灯りだけが点る。
このロケーションでも満席が続く。
カウンターは吹き抜け、外の景色が一望可能。その空間演出も見事だ。
ブリのカルパッチョから始まる。
寒ブリにウニと生クラゲ。
かかったナッツの香ばしさと食感も、この料理の大事なファクターとなる。
ウニがまろやかさを供するのだ。
最初からインパクトあり。
金華豚のチャーシューに黒トリュフ。
チャーシューは蜂蜜で味わいを甘くし、それと豚の脂分とトリュフの香りが濃密かつエロティックだ。
これを小麦粉で作ったまん丸の皮で巻いて食べる。
松葉カニと大根のスープ。
これは清湯(ちんたん)がベース。
これを挽肉と水で炊くとなんともクリアなスープが出来上がる。
そこに大根の甘味、松葉カニのコクが溶け込み、味わいに深みを与えてくれる。
身体もしっかり温まり、気分がどんどん高揚してくる。
上海蟹の紹興酒漬け。
約2週間、紹興酒に浸けられた上海蟹の味はこの季節の贈り物である。
味噌のコク、身のうま味など食べるのは結構苦労するのだが、こちらも覚悟で食べる。
そこに焼き立ての餃子が届く。
味噌と紹興酒を含んだタレにつける。
これで餃子が驚くほど変わる。
齋藤さんの技に感服である。
牡蠣はサッと湯通しされ、カブラと合わせカラスミを振る。
このバランスの良さ。自家製カラスミの塩分濃度が見事だ。
牡蠣の食べ方としてカブラとの合わせもうれしい。
フカヒレのあんかけ丼。じつはここに上海蟹の雄の白子がはいる。
それで味わいに輪郭がしっかり現れ、ごはんとの相性がすこぶるよくなるのだ。
名物あわび麺。
あわびの肝ソースで和える。この麺だけは外せないというお客さんも多い。
肝ソースの力がこれほど効果的かと思える一品。
牛肉の味噌炒め。
味噌の味に負けない牛肉の力量に感動。
一つは中華パンに挟むと、絶好の味わいとなる。
塩ラーメンは具材なしのシンプルそのもの。
清湯の威力発揮の麺である。
杏仁豆腐で締める。
ほぼ攻めの料理が続く。
このスタイルが当分続くのだろう。
齋藤さんの世界が確立されている。また次への期待が高まる料理であった。
「齋華」
京都市東山区泉涌寺山内町35-3
075-201-3239
投稿者 geode : 01:11