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2018年04月17日
「小ばやし」 大阪・梅田・とんかつ
もう45年ぐらい前のこと。
仕事を始めた頃、放送局の先輩に連れて行ってもらったのがきっかけ。
阪急東中通りに面した小さな店であった。そこから近くの小さなビルに入った。
そこで長年営みを続けていたが、いつのまにか閉店。残念だなと思っていると、数年前に茶屋町に復活した。
この「小ばやし」、僕がもっとも多くとんかつを食べた店かもしれない。
資料を見ると、1930年代に大阪・難波でとんかつ専門店を開業。
1945年空爆でやむなく閉店。1947年になんと神戸元町で再開。
その後1959年に大阪の堂山町に移転、1979年初代の孫の中村直介さんが三代目を継承し、
2012年諸事情で閉店したが、復帰を願う声も多く2016年に再開である。
ここのとんかつは、良質な豚肉を徹底的に叩き込み、
柔らかく仕上げた独特の食感を有する一枚である。数種の銘柄豚が揃う。
僕は決まって「名物 小ばやしのとんかつ」である。
この一枚に、僕の記憶がどれだけ閉じ込められていることか。
衣はあくまでサクッと香ばしく揚がる。
パン粉の粒立ちがうれしい。
そこにソースをつけ、口に入れると衣のサクッとした歯ざわりの後に、
優しい豚肉の上品な味わいがやってくる。
歯をさほど入れるまでもなく、豚肉は甘味ととともに消えてゆく。
瑞々しいキャベツの印象も40年以上変わらない。
とんかつの間に挟むと、ずっと口の中がニュートラルだ。
定期的に食べたくなる貴重なとんかつである。
「小ばやし」
大阪市北区茶屋町4-2
06-6372-0677
投稿者 geode : 01:22