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2018年05月10日
「木山」 京都・堺町竹屋町・日本料理
「木山」さんが暖簾を掲げて一年が過ぎる。
カウンターでの醍醐味を存分に味わうことができる。
料理には微妙なニュアンスが必要というか、それが料理人の個性につながってゆくと考える。
僕は「木山」のカウンターで食べるたびにそんなことを感じる。
マンションの一階だが、そこには井戸がありそれを掘り直し、料理に使う。
その水を白湯にして味わう。
ある種の儀式だが、木山さんの思いがこの一杯に込められている。
黒アワビにこのこ、もち米、穂紫蘇だ。
うまみが重層的だが、重さはなくすっきり胃袋に刺激を与える。
筍のすり流しに鯛の白子の炭火焼。
これは季節の賜物である。
そして恒例のカツオ節を削る。
削りたてのカツオ節の香りを大切にしたいという気持ちの表れだ。
カツオ節もカビ有り、無し、マグロ節も加える。
前夜から仕込んでおいた昆布出汁と合わせ、ここの出汁が誕生する。
そこに何も足さない出汁を味わう。素敵だ。
椀物はシラウオと卵豆腐にふきと菜の花。
この塩梅が見事だ。
一口目の淡さから始まり、椀種が次第に溶け込み、最後の一口は本当に喉がうなるという具合になる。
ぐじと、桜鱒の炙り。
コクがある。
嵐山の筍にうなぎの木の芽焼き。
うっとりするほどの味わい。
京都牛のサーロインにホワイトアスパラガス、花山椒。
これは木山さんの修業先「和久傳」からの流れである。
間違いのない味わいだ。
タイラギ貝にうるい、ワラビ。
季節の産物だ。
天ぷらは
煮穴子、タラノメ、ウド、行者ニンニク。
春のほろ苦さを満喫する。
にゅうめん、桜海老のかき揚げ丼、ジャコとカツオのご飯から選択。
にゅうめんとした。
貝類の味わいがしっかりであった。
同行の友人はかき揚げ丼。
ジャコとカツオのご飯も追加でいただいた。
香の物。
きよみオレンジのジュース。
なんきんと一寸豆のお菓子。
お薄で仕上げ。
なんとも流れのいいコースであった。
季節に一度は訪れたいと思った。
「木山」
京都市中京区絹屋町136 ヴェルドール御所 1F
075-256-4460
投稿者 geode : 01:20