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2018年05月23日
「レ セゾン」 東京・日比谷帝国ホテル・フランス料理
帝国ホテルの「レ セゾン」。
シェフのティエリー・ヴォワザンはフランス・ランスの「ボワイエ レ クレイエール」
(現「レ クレイエール」)という三ツ星レストランでシェフをつとめ、2005年から帝国ホテル。
シェフは
「トラディショナルは私のルーツです。でも、伝統的なフランス料理の中に、
どこか日本らしさや、日本のフィロソフィーを表現するように心がけています。
ここで私が考える日本らしさとは、素材の良さを生かすところ。
そして、日本料理の出汁のような、エレガントさ、味の深み。
トラディショナルが私の根だとしたら、そこから分かれた枝葉には、
日本らしさを取り入れた、エレガントかつ、モダンな実がなる。そんなイメージです」と語る。
フランスの伝統に日本を巧みに取り入れたのがシェフの真骨頂だ。
日本人シェフがこう断言するのとは訳が違う。
ルーツはあくまでフランスの伝統である。
じつは京都の「空」という8席のレストランで料理を作った時、そこに炭床があった。
その面白さに魅せられ、帝国ホテルの厨房に炭床が生まれたというエピソードがある。
パリジャンに見立てて
ポワローとじゃがいものフォンダンをチキン風味のジュレの上に
鰹節クリームとキャビア添え。
チキン風味のジュレの上に鰹節クリーム、まさに旨味の表現である。
そこにキャビアの塩分と脂分がプラス。
フォワグラのロワイヤルにしたバターナッツカボチャのヴルテ
クリスティヤントにしたカカオとトンカ豆。
フォワグラのロワイヤルは旨味の集合体。
サクサクとした食感がアクセントである。
フランス産舌平目を骨付きのままリソレにして 生姜バター 人参のコンディマンテ。
フランス産が持つ舌平目の厚みがあるからこそ完成した料理。
フランス料理のトラディショナルが生きる。
オマールブルーのリソレ ソーテルヌとフヌイユの香り
爪・腕肉を異なった調理法で。
三皿の料理が出た。
ソースも異なれば、フランス色、日本色が強いなどこれもまたシェフでないと構築できない世界観である。
爪の天ぷらにはいささか驚いた。
緑茶と昆布でマッサージされた沖縄のアグー豚のロース肉
レ・ボード・プロヴァンスのオリーブオイルを香らせたインカのめざめピュレ。
緑茶と昆布でマッサージ。なんとも嬉しい表現である。
これで味わいと考えがわかる。
まさに旨味の組み立てである。
ピュレの味わいはフランスそのものであった。
赤い果実とシャンパンジュレ エルダーフラワーのソルベ。
イチゴのデザート
カフェとショコラ。
フランスの伝統と日本の香りが麗しい融合を見せていた。
「レ セゾン」
東京都千代田区内幸町1-1-1 本館中2F
03-3539-8087
投稿者 geode : 01:16