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2018年07月23日
「にし野」 京都・西院・焼き鳥
最近、京都の西院界隈が面白いと聞く。
確かに「メイカー」という創作料理の店が人気を集めたり、熊本料理の店も暖簾を掲げているという。
そしてよく耳にするのが「にし野」という焼き鳥店。
大阪の同名の割烹店で食事をしている時に店主が
「同じ名前の焼き鳥店があるので、気になっています。よく見るのです」と。
これもSNSの効果であろう。
店頭に立つ。暖簾に黒文字で「にし野」と染め抜かれている。
それをくぐり抜け店内に入る。
エル字型のカウンターと座敷がある。カウンターで焼き台に近いところに座る。
さあ、スタートだ。
先付が渋い。梅で味を施したアラメ、肉味噌、青唐辛子、豆。
清酒を飲めと言わんばかりのラインナップ。
七谷地鶏のたたき、人参の花。
舌を包み込む味わいの濃度。
自家製のフォカッチャを焼く。
奥様の作品。
そこに七谷地鶏のリエットを塗る。
なんともドラマティックな展開か。
京赤地鶏の手羽を焼く。
均一に火を入れるために始終鶏の位置を変える。
手羽の皮目はあくまでパリッと香ばしく、身の部分のソフトにして液体をたたえた食感に笑みがこぼれる。
同じく京赤地鶏の肝。
これで一羽分。なんと贅沢なことか。
味の濃密感が異なる。タレには丹後の飯尾醸造の赤酢を使っているとのこと。
これが味の深みを授ける。
ネギマを焼く手さばきも軽やかだ。
これは七谷地鶏。ネギの甘味が生きる。
粗い大根おろし。口の中をフラットにする。
包丁目を入れたキタアカリにゴルゴンゾーラ。
アクセントとなる。
ハツ、砂肝、つなぎの三重奏。
これもいいインパクトである。
つくねは艶かしく、かつ食感がふんわりとむっちりの間程度。
印象的だ。
酢の物は皮を焼き、酸味をプラス。
鴨である。
この美しい火入れが旨味を呼ぶ。
ヤングコーン。
ささみの磯辺巻き。
これは素敵なアイディアだ。
締めは焼きおにぎりにスープ。
焼き鳥は常に変化する。
焼き手の個性が如実に現れる。
どのような鶏、それをどのような状態で調理するか。
そういった組み立てがきちんとできているか否かで結果は大違い。
そんなことを思い素敵な組み立てだと思った。
「にし野」
京都市右京区西院北矢掛町36-16
075-322-3184
投稿者 geode : 01:45