« 「老松 喜多川」 大阪・西天満・日本料理 | メイン | 「かさ原」 神戸・中山手・焼鳥 »
2018年10月01日
「Droit ドロワ」 京都・寺町荒神口・フランス料理
「ここのところ、ずっと鶏ばかり食べていました」とオーナーシェフの森永宣行さん。
というのは「コック・オ・ヴァン(鶏の赤ワイン煮)」がテーマの食事会であった。
「コック・オ・ヴァン」といっても作り方は千差万別である。
「180日飼育の近江しゃもを使いました」と。
煮込み時間は3時間半という。
まずは鶏の肝のムース入りグジェール。
中には洋ナシとマダガスカル産のシナモン。
ねっとり、甘く、うっとりである。
栗のスープ。
オマール、カカオ、コリアンダーが入る。
これも抑制のきいた甘味とオマールのうまみなどが同居する。
コリアンダーの香りは、ここでは蠱惑的という感じを受ける。
森永シェフが見せてくれたのは、パイ包み焼きならずジャガイモ包み焼きである。
中身はスズキとなっている。
まさにフランス料理の世界のプレゼンテーションといえる。
スズキにはシャンピニヨンのデュクセルを挟む。
これもフランス料理の王道の仕事である。
ソースにはビーツ。
パイとは異なる食感が嬉しい。
スズキに対する火入れがジャストである。
コック・オ・ヴァン・ジョーヌ。
これは鶏のクネルにヴァン・ジョーヌソース。
ヴァン・ジョーヌとは黄色のワインで、シェリーの近い酸味を有するワイン。
そこにトランペット茸が加わる。
今回のテーマにシェフが考慮したメニューである。
鶏のクネルは初めての味わいだが、これはクセになる。
そしてコック・オ・ヴァンである。
3羽で6本半のワインを使った。
驚くことにワインに漬け込むことなく3時間半の煮込み。
軽やかな味わいとソースのコクが特徴であった。
レベルの高い料理を堪能した。
プリンとハーブティはお決まりである。
シェフの姿勢と研究熱心さが嬉しい宴であった。
「Droit ドロワ」
京都市上京区東桜町49-1
075-256-0177
投稿者 geode : 01:50