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2018年12月20日
「レストラン 高津」 山口・下関・イノベーティブ
下関の捕鯨の歴史は縄文時代まで遡る。
中世以降は16世紀から始まった長州捕鯨と呼ばれる古式捕鯨が
長門や萩などで設立された鯨組を中心に行われていた。
下関は鯨肉・鯨油の中継地点として繁栄した街であった。
一旦はロシアが日本海で捕鯨を進め衰退したが、
近代捕鯨のノルウェイノルウェイ式捕鯨法が取り入れられ、
再び日本の捕鯨発祥地として息を吹き返し、
戦前・戦後を通じて捕鯨関連産業の中心地として国内有数の地位を築いている。
中でも明治42年に設立された東洋捕鯨株式会社が昭和初期に建てた蜂谷ビルは
「下関における捕鯨産業の隆盛を偲ばせる事務所建築」
として市の歩みを伝える重要な文化財でもある。
その重要な建物に2017年オープンしたのが「レストラン 高津」というレストラン。
まさに歴史を感じさせる建物である。
店内は個室とカウンターだが、カウンターが主体。
オープンキッチンでシェフに近い席であった。
メニューには食材の名前だけが記されている。
スタートは
キクイモと黒トリュフ
温かい菊芋のスープは、そのチップと黒トリュフがアクセントとなる。
あわび ロマネスコ オリーブ
あわびは程よく火が入り食感がソフトであり弾力もあり。
カリフラワーのピュレ、セロリの新芽など。
あら 白ネギ 大和芋
青海苔の粉末にネギのオイル、白ネギのサラダに数の子
数の子のプチプチ感。冬の情景を想起させる。
鰤 紅くるり 柚子味噌
小さくカットした鰤に紅くるりという大根と柚子味噌。
和魂洋才という感じである。
白菜 ブル−チーズ くるみ
しっかり焼いた白菜にくるみとブルーチーズ。
王道の組み合わせである。安心感が漂う。
パンとバター。
鰆 菜花 黄柚子
鰆は脂の乗りぐあい良しで、菜花の塩味がきいており、そのバランス。
ブールブランソースが懐かしい。
鴨 人参 トレビス
人参の甘味が鴨とのマッチング。
バニラアイスにリンゴのキャラメリゼ、パイ生地。
食感や甘味の層などが重なり楽しいデザート。
チョコレートのテリーヌにイチゴ。
紅茶で締めくくる。
素敵な建物とのマッチングも素晴らしく、流れる音楽も極めて現在の音がセレクトされていた。
サービスをするスタッフの表情も温かくいい感じである。
「レストラン 高津」
山口県下関市岬之町13-7
083-234-2299
投稿者 geode : 01:53