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2019年04月22日
「Les Queues(レクゥ)」 福井・越前新保・フランス料理
料理を作ること。
料理を通じて伝えたいこと。
そんなことを思いながら食事の時間を過ごしていた。
クルマを降りて入り口近くに立った時からただならぬ気配を感じていた。
厨房前のテーブル席に座る。
カトラリー類は引き出しの中。
カウンターの中にはピザ窯がある。
気分が高まりを覚える。
アミューズ。
地魚のリエットと
国産オーガニックレモンと豆乳のサワークリームを挟んだ最中。
白方町ワトム農園ケール 燻し柿 発酵白菜。
いきなりのパンチである。
コクのあるリエットにスモーク香の柿というコンビネーション。
前菜
ワトム農園 エディブルフラワー フルーツトマト 苺
黒龍九頭龍純米 越しのルビー 敦賀奥井海生堂 蔵囲い利尻昆布
爽やかな会話が始まる。
昆布の力を感じながら楽しむ。
前菜
鷹巣水蛸 焼き茄子 紅芯大根
茄子は火入れすることで香りが立ち、水蛸と交わりを深める。
前菜
越前町 糠 カワハギ 福井六条大麦とビーツ 河和田山雲丹
カワハギに山雲丹が加わることで刺激が生まれる。
山雲丹とは柚子胡椒に唐辛子が入った調味料。
ジビエ
越前市白山 猪 上志比 蕗の薹のベニエ
猪はまるでロースハム そこにほろ苦い蕗の薹のベニエ。
このセンスはどこからくるのだろう。
温菜
大野自然薯のパートフィロ
自然薯と帆立のムースが入る。
ソースはアメリケーヌだ。甘海老とカニのエキスが踊る。
カニの殻のパウダーがかかる。
スープ
上志比 原木椎茸のヴルーテ
原木椎茸と水だけの賜物。この自然の恵みに頭がさがる。
お魚
越前町 糠 鰆の石窯焼き 上庄里芋と黒にんにくのピュレ
蕾菜 ホワイトアスパラガス 熊川葛と県産朝びき若鶏の一番出汁
敦賀産新わかめ
石窯が持つ力をまざまざと見せつけられた料理。
そして一皿のバランスが醸すマジックに舌が喜ぶ。
メインディッシュ
30日間寝かせた奥越放牧牛背肉の熾火焼き
カブ 人参 白葱
石窯の入り口付近で置かれていた牛肉。この火入れの美学。
卵黄とトリュフ 赤ワインソース。
そのままでも充分うまい。2種のソースの楽しみも格別。
炊きたての白ご飯の甘さに胃袋が動く。
なんとジビエのカレーである。
頬が緩む。
甘酒のソルベ
豆乳とレモン
リンゴのコンポート
ここでも福井が生きる。
ビターな小菓子。
メニューからも分かるように福井の食材をいかに生かすか。
それがこれまで食べた種類の料理とは確実に一線を画しているのが麗しい。
このようなレストランが増えて来るのが嬉しい。
いい出会いであった。
「Les Queues(レクゥ)」
福井県福井市高柳1-712
0776-53-4858
投稿者 geode : 01:21