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2019年10月25日
「祇園 末友」 京都・祇園・日本料理
この日は二階の座敷であった。
ミルクあめという説明。
ほのかに甘いアプローチ。気持ちが和らぐ。
ベニズワイガニの飯蒸し。
葉っぱが季節を告げる。
カニのうまみとご飯の融合は嬉しい。
身体が温まる。
座敷の雪見障子の向こうに炭床が見える。
この演出は見事である。
八寸が届く。
仕事ぶりに同行の食いしん坊も驚く。
ナメタケ、金時草、カマスのちり酢・ネギ、イカの塩辛、いくら、栗の素揚げあなどが入る。
日本料理の本領とも言える季節感の表現。
これは八寸の役割。カウンターが主流になると、こうした仕事は少なくなってゆく。
椀はホタテのしんじょ、に平茸、柚子。
椀のゆるやかな味わいの変化。
椀種との一体感が深まってゆく。
造りは甘鯛。
甘鯛に甘鯛の子をまぶす。
これに湿りのりやワサビを巻く。
うまみの連鎖反応には舌を巻く。
鯖のきずし、ナシとカラシ。
なんだか韻を踏んでいるような献立。
ナシの仕事ぶりが麗しい。
子持ち鮎の塩焼き。
ふっくら焼けた鮎の味わいは貴重である。
のどぐろの塩焼きには蓼酢。これがじつによく会う。
松茸には炭塩とすだち。鉄板の組み合わせだ。
秋を感じる料理である。
丹波のカブラに柚子、菊の葉、菊花。
なんとも季節の賜物らしい。
最後はムカゴご飯。
さつまいもの味噌汁。
城陽のいちじくには蜂蜜のゼリーがかかる。
やはり安心感に満ち溢れた献立である。
しっかりした仕事を感じる。
「祇園 末友」
京都市東山区大和大路四条下ル小松町151-73
075-496-8799
投稿者 geode : 01:53