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2019年12月26日

「日本料理 子孫」 兵庫・甲陽園・日本料理

阪急甲陽園の駅からなだらかな坂を登ってゆく。

かつて密集していたフランス料理店が、それぞれ全く別の業態に変わっていた。
少し切ない気持ちになる。

住宅街の中に佇む日本料理「子孫」。
そこには静かな空気と時間が流れている。

座敷に入ると、熱いおしぼりとお茶が出る。
冷えた身体が温かさを取り戻す。

御献立
先付
松葉蟹 生姜酢
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この季節ならではの始まり。



蟹味噌 素麺 
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蟹味噌のスッキリした味わいが素麵に馴染んでいる。

煮物椀
松葉蟹真丈 からすみ 青菜軸 柚
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椀種は松葉蟹そのもの。存在感あり。
からすみの優しい塩分が素晴らしく、淡く柔らかな味わいに心が豊かになる。

造り
鯛 烏賊 スマ鰹 水前寺海苔 水菜 より大根
山葵 醤油 生姜醤油
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スマ鰹はやいと鰹のこと。脂のノリが鮮烈。
鯛の香りが素敵であった。

向付
鱈白子豆腐 キャビア
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キャビアのコクと塩分に鱈白子豆腐の存在の大きなこと。
どちらも主張しながらうまい着地を見せる。

八寸
汲上湯葉 イクラ醤油漬
菊菜 大徳寺麩 胡桃 干ぶどう 胡麻和え
鯖寿司 干柿柚博多 鴨ロース
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日本料理ならではの世界観を楽しむ。

焼物
淀大根 鰤 味噌幽庵焼き 柚
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ぶり大根である。
優しい味わいだが、インパクトあり。

強肴
鮑 雲丹 なめ茸 柚釜焼
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なめ茸のぬめりや雲丹のコク、鮑の香りとの一体感。

鉢物
伊勢海老 蕪蒸し 伊勢海老の味噌餡かけ すり柚
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伊勢海老がこのように変化するとは想定外の味わい。
これがふんわりと柔らかな味わい。

御飯
セコ蟹御飯 三つ葉 吸物 香味海苔 香之物 三種
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セコ蟹御飯の味わいは贅沢そのもの。
米粒一つひとつに味をまとう。

水物
苺 洋梨 メロゴールド ワインフローズン
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楽しい水物である。

菓子
けし餅
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しっとりとうまい。

薄茶
銘 又玄 丸久小山園詰
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真っ当な日本料理をしみじみ味わった。
現代の息吹もしっかり感じ、このような料理屋さんの仕事の大切さをひしひしと感じた夕食であった。

「日本料理 子孫」
西宮市甲陽園本庄町5-21
0798-71-1116

投稿者 geode : 01:04