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2020年01月07日
「CAINOYA」 京都・四条河原町・イノベーション
12月中旬京都に新たなスタイルのレストランが誕生した。
鹿児島からやってきた「CAINOYA」である。
四条河原町を少し南に行ったところに「GOOD NATURE HOTEL KYOTO」
というホテルが誕生し、2Fはガストロノミーのフロアになっている。
オープンキッチンスタイル。
カウンターからキッチンが全て見える。
器など、ほぼ全ての設えがこの店のコンセプトに合わせて作られたものばかりである。
オーナーシェフ塩澤隆由さんの美学が隅々まで行き渡った作りだ。
スタートは安納芋のホワイトソースに菊芋のフリット、卵黄のコンフィに黒トリュフ。
最初から攻めの料理が出てくる。塩澤さんの勢いを感じる。
ヴィシソワーズ。
バターのジェラートにヴィシソワーズ、胡椒の泡。
つまりじゃがバターとなる。なんとも素敵な発想!
タマネギのパイ包み焼き。
タネネギはバターで3時間キャラメリゼ。
パイ生地の上にタマネギ、そこにパルミジャーノとバルサミコを効かせたジェラート。
温かなパルミジャーノソースが添えられる。
温度差から生まれる味わいの変化が見事である。
塩澤シェフの真骨頂 ガストロバックを使った寿司。
右からコハダ、イカ、エビとなる。
寿司飯の工夫が興味深い。
ドライトマトやフルーツ、バルサミコを使い、独自性を高める。
カツオは丸い海苔の上に置かれる。
香りがいい感じだ。
ガリは青リンゴを使う。これも面白い。
ブリの料理には唸った。
10月に仕入れた14キロのブリ。
ブリのアラでとった出汁と味噌を合わせガストロバック。
それをコンフィにする。皮目はパリッと焼き上げる。
黒大根もコンフィ。ぶり大根の進化系。
こういった発想から生まれる料理は食べる側の想像力を刺激してやまない。
まるで隈研吾氏の作品のような籠からは椀物。
鹿児島のふくとめ小牧場のサドルバック種の豚のバラ肉。
これがめっぽう強烈。白味噌との相性がすこぶるよしの一品。
豚汁と言って良いのか、椀物なのかまたまた考えることが楽しい。
シャポンの焼き鳥。
胸肉とモモを使う。
間にはポルチーニとネギ。独特の甘味と香り。
割り下に漬け込んだ卵黄を絡めて食べると鳥のすき焼きとなる。
どんどん進化するのが興味をそそる。
クリスタルサラダ。
ミネラルウォーターやカツオや鳥の出汁でガストロバックした野菜。
野菜の瑞々しさは保ち、別の味わいが生まれる。
素材にシェフの想いが入り新たな味となる。
鴨と牛。
天草の未経産牛と鴨。
この試みに大きな拍手を送りたい。
うなぎ。
源平焼きである。
白焼きと蒲焼きをオマージュ。
蒸して煮込んで焼いたうなぎ。
蒸してうなぎの出汁をガストロバックして焼いたうなぎ。
食感の違いは明らかである。
セコガニのリゾーニリゾット。
コメの形をしたパスタをリゾットのように仕上げる。
甲殻類の旨みが詰まった一皿。
ジェラートに栗の渋皮煮、そこにエスプレッソをかける。
アフォガートである。
ティラミス。
ガストロバックされたイチゴにマスカルポーネ。
なんとも麗しいデザートなことか。
オリジナルティーは器まで面白い。
チャレンジする塩澤さんの世界をしっかり感じた。
今回は12月の記録。今月伺うのでまたレポートしたい。
「CAINOYA」
京都市下京区河原町通四条下ル2稲荷町318
GOOD NATURE STATION 2F
投稿者 geode : 01:50