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2020年06月12日
「白 tsukumo」 奈良・三条町・日本料理
奈良の日本料理界にあって、常にその動向が注目を集める。
5月半ばから営業を再開させた。
カウンターに座って食事をすることの楽しみを満喫したのであった。
淡い出汁にレモンの香りをつけ、岩梨が入る。
日常から料理の世界へ 入ってゆく。
アワビの料理が出た。
煮アワビ。
干瓢をアワビの肝で味付け、アワビを結ぶ。
濃厚な肝の添え方は見事であった。
百合の花を大根で包む。
椀物はアコウのしゃぶしゃぶ仕立て。
ハスイモ、よもぎ麩、じゅんさい、ズッキーニの千鳥。
季節を的確に表現した一椀はアコウの味わいが素敵だ。
向付けはビワマス。
ビワマスのことを雨魚(あめのうお)と呼ぶそうだ。
まさに初夏の魚である。
そこに時知らずでとったジュレと、きゅうりはカタツムリの形だ。
なんとも今の季節を表している料理。
雨を表現する仕掛けもしっかり。
八寸。
紫芋と大根を重ねること13。松尾寺の塔からの発想である。
焼き椎茸、鯨のさえずりには雲丹、稚鮎にはマルドンの燻製塩。
奈良の風景から生まれる一皿。西原さんの世界観が見えてくる。
鱧茄子である。
鱧がまるで大和丸茄子を引き立てる調味料のような役割を果たすとは
想像以上の味わいである。
大和丸茄子のポテンシャルの高さを感じた。
冷たい麺。5種の粉を使う。
呉汁で食べる。
豆乳とごまクリームの出会いと、麺の食感がすごい。
大和肉鶏。
右からレアに火入れしたささみ。
それぞれの部位にあった火入れ。
新たな鶏の食べ方だと思った。
締めのご飯はトウモロコシご飯。
トウモロコシと一緒に炊いたご飯にトウモロコシの天ぷら。
甘味も含め、記憶に残る。
二回お代わり。
3度目はエンドウ豆の甘味が生きる。
青梅の蜜煮と牛乳。
これも印象的な一品。
西原さんの発想の豊かさ、
そして卓越した技術の高さに感動を覚えた食事であった。
「白 tsukumo」
奈良市三条町606-2 南側 1F
0742-22-9707
投稿者 geode : 01:59