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2020年08月19日
「かに吉」 鳥取・鳥取・日本料理
鳥取「かに吉」の夏は「なつ吉」と呼ばれる。
冬のかには圧倒的な評判だが、この「なつ吉」の噂もずっと耳にしていた。
8月に入り、早々に出かけた。
期待は膨らむばかりである。
始まりは冬と同じ。
蟹味噌のルイベ。
濃厚だが、すっきりと溶けてゆく。
香りだけが残る。
白イカは三日間熟成。
ねっとり甘味が滲んでくる。
サザエ。
「朝の7時に潜り、8時の競りにかかりました」という。
まだ7時間ぐらいしか経過していない。
ミルキーな肝の味わいに驚愕である。
これまで知っていたサザエとは別物。
身の弾力から生まれる味わいは鮮烈であった。
カワハギの肝和え。
ピュアで味わいに透明感を覚える。
アジ。
脂が乗っているのにすっきり。
山椒を忍ばせた醤油との相性もよし。
岩牡蠣のフライにマイクロきゅうり。
岩牡蠣のフライは濃密な味わい。
塩の力でミルキーな感じも出る。
ハタハタの小丼。
ハタハタの変容に驚きだ。
もずく。
細いが食感は確か。
カレイの干物。
骨を抜き整形。カレイの干物をかじるとは予想もしなかった。
味の厚みが全く違う。
カレイの頭。
カレイが持つ塩分だけで焼き上げる。
旨みの塊と言って良いぐらいの成果。
しいたけ。
4日かけて調理する。
しっとり、味の重なりを感じる。
アワビも当然のことながら朝に獲れたもの。
吉田牧場のバターでソテーしたという。
歯を押し返し、次には歯が入り、濃厚な味わいに満たされる。
そこにご飯を入れると見事なアワビのリゾットの完成。
これほどまで贅沢なリゾットがあったであろうか。
広島・梶谷農園の野菜。
塩とオリーブオイルだけ。
野菜が生きている。
鳥取万葉牛のしゃぶしゃぶ。
レタスもうまい。
しゃぶしゃぶといっても、鍋の中ではほとんど動かさない。
むしろ器にとり、その出汁の温度で軽く火入れをする。
これが爽やかな味わいとなる。
二枚はペロリであった。
魚介と昆布の出汁とフルーツのカレー。
この味わいは他では再現不可能である。
玉ねぎのピクルス。
ところてん
きな粉に黒蜜。
「なつ吉」は噂のレベルを超えている。
また来たいと思わせる力がみなぎっている。
「かに吉」
鳥取市末広温泉町271
0857-22-7738
投稿者 geode : 01:20