門上武司のおいしいコラム

2021年10月19日

長野県飯田市の「柚木元」に出かけた。

夜は「柚木元」と決めていたが、昼は迷っていた。
すると「柚木元」のご主人が勧めてくれ、
おまけに奥様がその蕎麦屋まで案内していただいた。

山の中に入ってゆく。案内役の存在はありがたかった。

店名は「のんび荘」。

蕎麦と料理民宿である。

座敷に入り、献立を見る。

まず気になったのが「いくちおろし」。
いくちとは、この界隈で取れるキノコであった。
それがおろしとともに入っている。

なんと色合いが紫なのである。
調べてみるとあみ丈のことで、長野県ではいくちと呼ばれるようだ。

食感はかなりぬめりがある。
出汁とおろしで食べる。
味わいは濃密で、インパクトがある。

自家製の黒豆豆腐と卵焼きが出てきた。

黒豆豆腐はコクがあり、舌に乗っかる旨みに厚みがあると感じた。
これはクセになる。
卵焼きは甘味がそんなに強くない。

じつは座敷に入るなり気になっていた料理があった。
「幻豚とんかつ（ロース　ヒレ）」。
揚げ物好きとしては無視できない。

ロースを頼んだ。

サクッと揚がったとんかつ。
ロースだが脂のキレがよく脂の質もいいので、ペロリと食べた。
これは嬉しい出会いであった。

ざるそば

わさびは別注文だがプラス。

まず塩で食べる。
そばの香りを感じながら甘味を強く受け取る。
わさびをつけると香りが強調される。
そして出汁につける。
このバランスがうまい仕上がり。
柔らかな調和が生まれた感じだ。

五平餅を追加してしまった。

味噌の味がご飯を優しく包む。
これまで食べた五平餅とは明らかに一線を画していた。

ゆっくり時間が流れる様を楽しみながらの昼食であった。
「柚木元」は後日レポートします。

「のんび荘」

飯田市大休7462
0265-22-0755

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