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2024年09月17日

「五代目 野田岩 銀座店」 東京・銀座・鰻

95歳になる五代目・野田岩の金本謙次郎さんと対談をさせてもらったことがある。
鰻の仕入れに朝から出かけ、本店では鰻を焼く。まだまだというか生涯現役を貫く崇高な職人である。

銀座店で晩御飯。
入り口に「天然鰻あります」と。
これは訪れなくては、という気分。

 

鰻巻き
鰻重

まず鰻巻が届く

一切れから注文できるのがうれしい。

たっぷりと鰻が入る。
卵巻きは江戸の味わい。
甘さがあり、そこに「やられた」という言葉が乗っかった。
甘いのにくどくない。
鰻に優しく寄り添っていたのである。
酒好きななら、これでいっぱいやるだろうな。
ちょこっと大根おろしが添えれらる。

 

鰻重がやってきた。

肝吸い。これで口中をフラットに。
鰻を食べる。
さっぱり、あっさり!
やや淡いのではないかと思うほど。
ご飯との一緒に食べる、同じような印象を覚える。
しかし、食べ進めるにつれ、その淡さが少しずつ姿を変えてゆく。
うまさ、というかコクの粒がかすかに広がりを見せる。
半分食べたところで、山椒をふる。
またまた味わいが変化する。
鰻は輪郭がはっきり。
味わいが深くなり出す。
そしてお重が空になる頃には充足感が漂い始める。
思ったのだ。
これは優れた椀物に似ている。
一口目は淡いと感じた味が椀種と混じり、最後の数滴はうまさの頂点になる。

そういう構造になっていたのだと実感。
これは天然のなす技なのであろう。

 

 

「五代目 野田岩 銀座店」
東京都中央区銀座4-2-15 塚本ビルB1F
03-5524-3125

 

 

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門上武司の「今月の一軒!」

畑作りから始まる、大分・湯布院のオーベルジュ『ENOWA YUFUIN』。
静岡『FUJI』で唸った、料理人と魚屋の関係。

 

 

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投稿者 geode : 10:00