2017年08月30日

「円かの杜」 神奈川・箱根・宿

年に数回 訪れる箱根・強羅の「円かの杜」という宿がある。
今回は男性5名の投宿であった。
温泉に浸かり、身体をほぐし夕食となる。

献立には
あかつきは秋めく雲の通る富士
と記されていた。
五十嵐信幸料理長からのメッセージだ。

前菜は
春菊のすり流し 岩牡蠣 かきの木茸 落花生の白和え 秋祭魚寿司(コノシロ) アロエと栄螺のポン酢。
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落花生の白和えが印象的。岩牡蠣の凝縮感もよし。

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2017年08月29日

「センプリチェ」 京都・中書島・イタリア料理

イタリア料理と書いたが、いまや「センプリチェ」の西山哲平さんの料理となっている。
カウンターに腰を降ろし、引き出しを開けるとナイフ・フォーク・スプーンなどのカトラリーが並ぶが、ほとんど料理を箸で食べることができる。

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メニューには素材の名前が並ぶ。
おもてなし
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赤いジュース 香草や野菜、ルバーブ、桃、トマト、赤紫蘇である。
すっきりとして柔らかな刺激をうける。

蛸焼き
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明石焼きを思わせる。イカスミに蛸の出汁。まさに蛸焼きだ。

前菜
サラダ ライムとミントのソルベ
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トマトと無花果のクリーム。
季節の野菜にこれらが乗る。温度帯と香り、食感の饗宴。
この「センプリチェ」を象徴する一品。

パスタ1
トウモロコシを詰めたラビオリ
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焼き干し鮎 焼きもずく サマートリュフ
モッツァレラチーズ。
トウモロコシの甘味が炸裂。付け合せの多彩なこと。


ウナギ 生パプリカ 焼き冬瓜
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ウナギのカリッとした歯ごたえと身のコクには感動を覚える。
冬瓜の味わいもいいアクセント。

パスタ2
タリオリーニ
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岩牡蠣 焼きトマト 茗荷 青柚子の香り
岩牡蠣の濃厚な味わいをしっかり受け止める力がある。

パスタ3
冷製パスタ スープ仕立て
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鮑とオクラ カボス果肉。
これは衝撃の一皿。スープ仕立ての新バージョンだ。


但馬牛 焼き胡瓜 発酵万願寺ソース
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西山さんは考えた、熟成ランプ肉をいかに食べさせるのか。
野菜のパワーが見事な結果を呼び込んだ。


鱧で包んだ西瓜の焼きリゾット
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焼き茄子出汁。
この発想に驚く。

デザートは
ミルクレモンジェラート 無花果コンポート
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パッションフルーツとフロマージュ

エスプレッソにいつものミニャルディーズ。
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確実に独自の世界を作り上げた感じだ。

「センプリチェ」
京都市伏見区表町582-1
075-605-4166

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2017年08月28日

「C GRILL シーグリル」大阪・中之島コンラッド大阪・グリル

今年6月にオープンした中之島にあるホテル「コンラッド大阪」のレストランに足を運んだ。
地上40階の眺望は流石に美しくテンションは上る。なんと地上200メートルである。そこからの眺望は素晴らしいというか凄まじいこと。天井高10メートルの空間には 名和晃平の 高さ5メートルの「FU RAI」が展示される。これは風神雷神像をモチーフにしたもので、その迫力に圧倒される。

バーやブッフェレストラン、鉄板・寿司などの飲食店があり、この日はシーフードグリルをメインとした「C GRILL シーグリル」となった。

はるかの彼方に拡がる大阪の夜景を眺めながらのディナーは時間の流れがゆるやかであった。

カトラリーのセッティングもシンプル。
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夕陽の沈む流れによって明るさが微妙に変わるのも楽しい。

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2017年08月24日

「このは」 大阪・本町・日本料理

「今日は、天ぷらをメインとした組み立てにしています」と
ご主人の田中勝美さんは話してくれた。

出身の料理店が天ぷらに力を入れており、独立後も天ぷらに傾注していたが
東京や静岡の天ぷら屋で食べることにより、刺激を受け、ますます変化と進化が続いている。

田中さんはじつに研究熱心な料理人である。

天ぷらが客を呼ぶコンテンツということを理解し、
自分が学んだ天ぷらをベースに、新たな天ぷらの世界を構築したいと考えているのだ。

京都の割烹とは異なるアプローチが必要となる。

それは出汁の世界なのか、献立の組み立てなのか。

常に自問自答を繰り返す。

また同世代の料理人とのネットワークも強固で、情報交換や食べ歩きなどにも熱心である。

8月上旬の献立。

先付けはアワビ、ずいき、椎茸に酢ゼリー。
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軽やかな酸味が期待感をもりあげる。

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2017年08月22日

「和食晴ル」 京都・高倉綾小路・日本料理

久しぶりの「和食晴ル」。
「今日は遅い時間からいっぱいなんです」と。
とはいえ、カウンターはほぼ満席状態。

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コースではなく、単品で食べることができる。
こういった店が元気である。

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2017年08月21日

「カフェ工船」 京都・河原町今出川・コーヒー

久しぶりの「カフェ工船」。
休日の昼下がりに訪れた。

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2017年08月18日

「BOOCHIC」 大阪・中之島・フランス料理

先日、おとなの遠足(岡山・吉田牧場ツアー)で一緒になった「BOOCHIC」の船岡勇太シェフの料理を食べた。

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以前は「DUMAS」という店名であった。
「BOOCHIC」とは
BOUTIQUE ・・・主張や独自性を持つ専門店
BOO・・・可愛い
CHIC・・・上品で粋な様、垢抜けている
という3つの言葉を繋いだらしい。

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2017年08月17日

「味彩のと与」 京都・錦市場・鰻

現在発売中の「あまから手帖」は「上方の鰻、天ぷら、蕎麦」の特集で評判がいい。
鰻は、10軒中9軒が地焼である。

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その中の一軒、京都・錦市場の「味彩のと与」。
明治時代から続く川魚専門店が営む飲食店である。
「のとよ西店」の2階。
階段を上がると焼き場が見える。串打ちされた鰻にタレがかかる。
場所をこまめに変え、焼いている姿につい胃袋が激しく反応する。

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2017年08月10日

お休みのお知らせ

いつも門上武司のおいしいコラムをお読みいただき
ありがとうございます。

明日(8月11日)より8月16日まで、
コラムはお休みとさせていただきます。

8月17日より再開いたしますので
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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2017年08月10日

「ほうば」 大阪・北新地・韓国料理

韓国料理というカテゴリーだが、ここを純粋に韓国料理と呼んでいいものか、いつも考える。
というより、料理にカテゴリーが必要かどうかということにつながる。
明確にそれぞれの料理の定義を説明できるかもあやふやな時があるのだから。
4名の会食。

スタートはいつものナムル15種。
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これでテンションは一気にあがる。
野菜を効果的に提供するスタイルとしてかなり上位に入る。
これは紛うことなく韓国料理だ。

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2017年08月09日

「川原町泉屋」 岐阜・元浜・川魚料理

二年ぶりに訪れた。
鮎を焼くために生まれてきたのではないかと思う「河原町泉屋」の当主・泉善七さん。

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鮎を中心としていろいろな料理が生まれる。
熟れ寿司の源流を訪ねる旅にまで出かける人物である。
訪れるたびに新たな献立や進化した料理が登場する。

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2017年08月08日

「八楽」 京都・下河原・中国料理

京風中華の雄である。

ふと、ここの「冷やし野菜」という料理が食べたくなる。
細切りの野菜を数種和えた料理なのだが、どこか心根に響くのだろう。

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下河原の片隅にひっそりと佇む名店である。

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2017年08月07日

「花いち」 名古屋・浄心・日本料理

ようやくたどり着いたという感じである。
数年前に友人から情報を得て、仲間に伝えたところ相当数が訪れ「あそこは旨い!」「最高やね」「天むすを食べないと・・」などの感想が山のように届いた。
その仲間の一人と「花いち」に足を踏み入れた。
住宅街の中、店名が分かるものが見当たらない。
期待感が膨らむ。

靴を脱ぎ、カウンターに座る。
献立がある。手書きの文字。
そこには「八千二百六十五蕃」という文字がある。
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つまり、開店して以来8265日目の夜を迎えるということ。
どの料理も「食べてください」とささやきかけるようだ。
ご主人と奥様のコンビネーションが素敵だ。

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2017年08月03日

「串揚げtoshico」 京都・下鴨北大路・串揚げ

京都下鴨本通りと北大路通りの交差点北側にひっそり佇む黒い建物が
「串揚げtoshico」である。
定期的に食べたくなる一軒。

店主の性格がじつによく反映されていると感じる。
カウンター後ろにはターンテーブルとレコードが揃っているが、それはまだ使われていない。
CDも揃い、ポップな音が流れている。そのリズミカルな音がいい感じだ。

サラダが置かれる。
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この時期の瑞々しい茄子はインパクトあり。

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2017年08月02日

「エルクコーヒー」 大阪・西天満・コーヒー

西天満の「エルクコーヒー」は溜まり場となった。

ここでコーヒーとスイーツの相性を検証する「コーヒー夜会」を開催することもあれば、飲食関係や法曹関係などの人達が集い、いつのまにかコミュニティができているような感じである。
また常連客が旅先から気になるコーヒー店の豆を持ち帰り、ここで試飲することもある。

この日は、訪れたところの常連客が持ち帰った九州・博多のコーヒー店の豆が届いたところであった。
マスターの「どちらにしますか?」という言葉で、いつもはシナールマンデリンを飲むのだが、ハラールモカにした。

ネルドリップでの抽出は変わらずである。
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ハラールモカが持つ程よい酸味と香りのバランスが素敵だと感じる。
そして豆のポテンシャルの高さにも唸ってしまう。

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2017年08月01日

「原正」 大阪・谷町9丁目・寿司

夜の8時半。

寿司を求めて九州や和歌山、京都から集まる。

この時期は魚が厳しいと思うが、店主の石川さんは
「工夫をどれだけできるか楽しい時期でもあります」と話す。

江戸前でもなく、といって関西風を頑なに標榜するのでもない。

いわば双方のいいところを巧くミックスした感じだ。

ええとこ取りは、往々にして失敗を招くこともあるが「原正」は見事な着地をしたのであった。

この日は最初にあてを二品、そこから寿司というリクエスト。

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鮑が出る。
この歯ごたえがもたらす快感がスターターとなる。

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投稿者 geode : 01:55